プラジオライト 2.72 cts


12.0 x 8.2 mm



 プラジオライトは淡いグリーンの稀少なクォーツで、多くはブラジルのモンテスマ(Montesuma)に産するアメシストを、摂氏四百度から五百度で加熱処理して得られます。シトリンの黄色が第二鉄(三価の鉄 Fe3+)に由来するのに対し、プラジオライトの緑色は第一鉄(二価の鉄 Fe2+)に由来します。

 プラジオライトはクォーツの中でも珍しい変種ですが、本品は色が珍しいだけでなく、宝石研磨職人の手作業によってクラウン面とパヴィリオン面の両方に多数の OMF(optically magnified facets)が作られています。このため本品は分散こそ起こしませんが、ダイヤモンドのように強い輝きを見せています。実物の美しさは写真ではわかりません。

 OMF(英 optically magnified facets)はカーヴド・ファセッツとも呼ばれ、熟練した宝石カット職人により、非常な手間と時間をかけて作られます。本品のクラウン側(枠にセットした際の表側)には、テーブル面(カット石の最上部にある平らな面)を囲むように OMFが作られています。テーブル面と OMFの境界は植物の葉のような曲線を描き、緑の色と相俟って、本品に生命の輝きを与えています。

 OMFはパヴィリオン側(枠にセットした際の裏側)において本領を発揮します。透明宝石のクラウン側から入射した光は、パヴィリオン側の内面で反射し、クラウン側に戻ります。透明宝石をカットする角度は、入射光がすべてクラウン側の正面に戻るように計算されています。逆に言えば、透明のカット石は正面から見た場合にのみ輝きます。しかるに透明宝石のパヴィリオン側に OMFを設けた場合、OMFは宝石の内側から見ると凸面鏡の役割をして、入射光の反射角を広げます。この結果、正面からずれた角度で宝石を眺めても、輝きが失われません。

 本品のパヴィリオン側には、多数の OMFが作られています。これはたいへん手間のかかる作業ですが、その甲斐あって本品に類い稀な煌めきを与えています。上の写真はいずれもほぼ正面から撮影していますが、本品は斜めから見てもよく輝きます。


 電話(078-855-2502)またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。


 
■本品を使用したジュエリー制作を、当店にて承ります■

 左の写真は当店で製作したペンダントで、本品プラジオライトよりもひと回り大きなスフェーンを使っています。本品で同様のペンダントを作った場合、仕上がり品の価格は 42,000円(石、枠、工賃すべて込み)です。写真のペンダントの商品販売ページに移動するには、このリンクをクリックしてください。

 左の写真は本品プラジオライトよりも小さなハート型アメシストの指輪(販売済み)です。本品プラジオライトを指輪にした場合、仕上がり品の価格は 52,000円(石、枠、工賃すべて込み)です。写真の販売済み指輪に関して詳細を見るには、このリンクをクリックしてください。




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