中世ヨーロッパの光　《アルマンダイトのカボション　1.06カラット》　色を楽しむガーネット　7 x 5ミリメートル


5.0 x 7.0 mm　　1.06 カラット

　アルマンダイト（アルマンディン・ガーネット）のクラシカルなカボション。カボション（仏 cabochon）とは小さな水平面（ファセット）を作らず、曲面に研磨したカットのことです。


　カットした宝石をジュエリーにセットした際に、表になる側をクラウン、裏になる側をパヴィリオンといいます。現代のジュエリーは宝石の輝きを楽しむもので、キラキラと輝くファセット・カットが基本となっています。ファセット・カットにおいては、クラウン側から宝石に入射した光がパヴィリオンの内面で反射してクラウンに戻るように、カットの角度が計算されています。

　しかるに近世以前の宝石は、輝きではなく色を楽しむものでした。それゆえダイヤモンドをはじめとする無色の石は評価されず、ガーネットやアメシストのような色石（いろいし　カラー・ストーン）に人気が集中しました。近世初期までの古いジュエリーや教会の祭具に嵌め込まれた宝石は、すべてカボションです。これは宝石の楽しみ方が現代とは違ったためです。近世初期以前の人々は、カラー・ストーンの美しい色を愛（め）でたのです。


（下）　リモージュ製聖遺物箱　「ベラックのルリケール」　　幅 26 cm　 奥行 11.7 cm　 高さ 20 cm　ベラック、聖母被昇天教会蔵　L'Eglise de l'Assomption-de-la-Très-Sainte-Vierge, Bellac




　本品は古美術品から外した石ではありませんが、古（いにしえ）の人々に愛された通りの、カボション・カットを施したガーネットです。写真では微妙な色合いが分かりませんが、実物はすみれ色がかった美しい赤で、まさに色を楽しむカラー・ストーンの本領を発揮しています。近世以前の時代、ジュエリーを所有できるのは貴顕の人々や富裕な大商人に限られていました。本品で作ったジュエリーはアンティークな趣きの中に、高貴な雰囲気さえ漂わせる一品になることでしょう。


　電話（078-855-2502）またはメール（procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp）にてご注文くださいませ。

■本品を使用したジュエリー制作を、当店にて承ります■ 　左の写真は当店で制作したスフェーンのペンダント（販売済み）です。本品で同様のペンダントを作る場合、仕上がり品の価格（石、枠、工賃すべて込み）は 28,000円です。販売済みペンダントの詳細を見るには、このリンクをクリックしてください。 　左の写真は当店で制作したサファイアの指輪（販売済み）です。本品で同様の指輪を作る場合、仕上がり品の価格（石、枠、工賃すべて込み）は 38,000円です。販売済みの指輪に関する詳細を見るには、このリンクをクリックしてください。

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