フェーヴの専門メーカーであるフランスのアルカラ社が、2020年の顕現節用に制作した磁器のフェーヴ。レ・シャ・ムフレ(仏 les chats mouflés ミトンをはめた猫)というシリーズ名が付いています。「ミトンをはめた猫はネズミを捕れない」とは、「上品にしていたら、あるいは尻込みしていたら、欲しいものは手に入らない」という意味のことわざで、ヨーロッパに広く分布しています。下に示した四か国のことわざは、いずれも「ミトン(あるいは、手袋)をはめた猫はネズミを捕れない」という意味です。
イタリアのことわざ | Gatta inguantata non prese mai topo. | |||
フランスのことわざ | Un chat avec des moufles n'attrape pas de souris. | |||
ドイツのことわざ | Eine Katze mit Handschuhen faht keine Maus. | |||
イングランドのことわざ | A cat in mittens catches no mice. | |||
※ 意味はいずれも「ミトンをはめた猫はネズミを捕れない」 |
ことわざに登場する「ミトンをはめた猫」は欲しいものを手に入れるのに失敗する人の喩えですが、フェ―ヴの猫たちは人間に愛されて世話をされ、ネズミを捕る必要もなく、のんびり穏やかに暮らしています。あくせく働かない姿がユーモラスでもありますが、これは怠惰の表現というよりも、むしろ愛される幸せの表現とみるべきでしょう。