古美術品の修復例 銀製カリス

a sterling silver chalis, hallmarked at Birmingham assay office, 1778


高さ 40 mm  開口部の外径 47 mm

基部の差し渡し 40 mm, 42 mm


バーミンガム・アセイ・オフィス  1778年



 聖公会の聖餐式用カリスを修理いたしました。このカリスはスターリング・シルバー製で、バーミンガム・アセイ・オフィスにおける 1778年の検質印があります。









 このカリスには腐食によると思われる罅があり、小さな孔が貫通して、葡萄酒が漏れる状態になっていました。下の写真で目印を付けているところが、破損個所です。






 カリスの外側はエングレーヴィングで装飾されているため、破損箇所の判別が困難です。カリスの内側から見ると、破損箇所が判別できます。




 小さな孔を通して、光が漏れています。




 修理が完了した状態の写真です。孔は完全に塞がりました。






 なお本品は内側に金めっきが施されていますが、過去に行われた修理によって、直径六、七ミリメートルの金めっきが既に失われていました。しかしながら、あたかも対向して置いた鏡が互いに反射し合うように、カリスの内側は相対する面が反射し合って金色に輝き、めっきの剝がれはまったく目立ちません。今回の修理でも直径二ミリメートルほどの金めっきが無くなりましたが、再めっきは施しませんでした。

 本品の修理費用は、二万円です。





電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてお問い合わせくださいませ。




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