メダイユの製作方法 ―― 打刻と鋳造
メダイユの製作方法には、大きく分けて「打刻」と「鋳造」のふたつがあります。
「打刻」は貨幣のように大量の製造が必要である場合の方法で、凹凸の無い金属片に金属の打ち型をあてがい、強い力で打ちつけることによって金属片に凹凸の文様を付けます。中世までは打ち型をハンマーで直接叩いていましたが、15世紀初めにイタリアでスクリュー・プレスが発明されると、打ち型に加わる力が安定するとともに、打刻の作業効率も向上しました。
(下) 20世紀初頭のスクリュー・プレス(右端)。ハンドル両端の金属塊が弾み車の役割をして、強い力が発生します。
より芸術性の高いメダイユを少数のみ製作する場合は、「鋳造」による方法が選ばれます。まず最初に、蝋や漆喰に浮き彫りを施して、メダイユの原型を製作します。原型には表(おもて)面用と裏面用のふたつが必要です。次に原型を元にして、テラコッタやゲッソ(石膏とチョークの混合物)で鋳型を作ります。最後にふたつの鋳型を合わせて、融けた金属を流し込み、金属製メダイユを鋳造します。
鋳型から取り出したメダイユは、やすりがけや彫金、薬品による表面処理等の工程を経て、ようやく完成に到ります。このため同じ鋳型から製作された作品であっても、細部や全体的な色合いにわずかな違い、個性が見られ、個々のメダイユが「一点もの」的な性格を有します。
メダイユの原型
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