フランスにおけるジャポニスム アール・ヌーヴォーのかんざし 萩に流水文 116 x 86 mm
横幅 86ミリメートル 縦の長さ 116ミリメートル 重量 26.8グラム
フランス 十九世紀末から二十世紀初頭
上品な艶消しの金張りあるいは金めっきによる日本風かんざし。アール・ヌーヴォー華やかなりしベル・エポック期に、フランスで制作されたものです。重量は
26.8グラムで、五百円硬貨四枚分弱、または百円硬貨五枚分強に相当します。
かんざしの上部のサイズは幅八十六ミリメートル、高さ四十四ミリメートルで、透かし細工になっており、蔓(つる)と流水を思わせる曲線の枠内に、四枚の葉による植物文様をあしらいます。植物文様は高度に様式化されていますが、丸みを帯びた葉の形状は萩に似ています。萩の意匠は日本の着物や工芸品に多用されますから、本品の意匠もおそらく日本風の萩文様にヒントを得たのでしょう。
新しく知られた異国の風物に関心を惹かれるのは、どの国、どの時代にも共通の人情でしょう。フランスの場合、十七世紀と十八世紀はシノワズリ(仏 la
chinoiserie 中国趣味)の時代でした。中国から齎された交易品により、フランスの陶器や家具をはじめとする工芸品及び室内装飾は大きな影響を受けました。1738年にヘルクラネウム、1748年にポンペイが発掘されると、フランスの人々は古典古代、とりわけ古代ギリシアに熱狂しました。次いで十九世紀の初めには中近東がブームになり、ロマン派の芸術の題材として盛んに取り上げられます。
その次に流行したのは、ジャポネズリまたはジャポヌリ(仏 la japonaiserie/japonnerie 日本趣味)です。1860年代のパリでは浮世絵版画が安価に出回り、これが印象派絵画と出会うことで、美術に新しい地平が開かれました。ゴーギャン、ロートレック、ボナールたちの画面に浮世絵の明らかな影響が現れるのは
1880年代から 90年代にかけてのことで、これと同時期に装飾美術を席捲しtた様式がアール・ヌーヴォーです。
かんざしの上部は八十六ミリメートルの幅がありますが、頭の丸みに沿うようにアーチを描いています。かんざし全体は縦方向にも美しい曲線を描き、快適な使用感を保証するとともに、女性のボディラインのような優雅さで視覚を楽しませてくれます。
本品はフランスで制作されたアンティーク品ですが、古い年代にもかかわらず、保存状態は極めて良好です。特筆すべき問題は何もありません。上の写真では、このかんざしを店主(男性)の手に載せています。女性が実物をご覧になれば、写真に比べて一回り大きなサイズに感じられます。
42,800円
電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。
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