(上) 額装のサンプル。パソコンモニタの解像度と設定にもよりますが、おおよそ実物大です。





稀少な新品 曲面ガラス付 フランス製アンティーク額


最前部における額の直径 125 mm  窓の直径 74 mm  厚さ 25 mm


フランス  19世紀末から20世紀初頭



 19世紀半ばから20世紀初頭のフランス製アンティークに特徴的な、曲面ガラスを使用した木製額。たいへん珍しいことに、未使用のデッドストック品を手に入れました。同じ大きさ、同じ形のものが、合計五つあります。五つの額それぞれに色が異なるのはオイルステイン(木製品用の顔料あるいは染料)のせいで、木の材質は同じです。表面にニスは塗っていません。

 これらの額はいずれも、額よりもひとまわり大きな直径の丸太をスライスした材から削り出してあり、継ぎ目がありません。複数の材を組み合わせて製作した大きなサイズの額は、製作されて百年以上も経つと、それぞれの材が収縮して歪み、材と材の間に隙間が生じることも多いのですが、この額はそれぞれひとつの材から削り出した物ですので、材の継ぎ目が剥離するという問題は起こりません。虫食いその他特筆すべき問題は無く、たいへん良好な保存状態です。新品の曲面ガラスが付属しています。








 額のうち一点に、可愛い子供を写したサンプル写真が付いています。写真は経年により薄緑がかったセピア色に褪色しており、一見したところアルブミン・プリントのようにも見えます。





 この写真の表面を高性能の顕微鏡で精査しましたが、アルブミン・プリントの場合に観察されるような亀裂や紙の繊維は見えません。また画像の暗部にシルヴァリング silvering(ミラリングmirroring、シルヴァー・ミラリング silver mirroring)が見られます。





 したがってこの写真はゼラチン・シルバー・プリントであることがわかります。19世紀はアルブミン・プリントの時代でしたが、1880年代頃からはゼラチン・シルバー・プリントもよく使われるようになってきます。この額の製作年代を、添付されたサンプル写真から判断すると、1890年代から1910年代頃まで、ちょうどベル・エポック頃ということになりましょう。

 額に絵や写真を入れるには、ガラスの内側に作品を置き、額の裏に紙を貼って密封するのが当時の方法です。トンボ(可動式の爪)を付けて、裏のくぼみに合わせた円形のマットを押さえるようにすれば、作品を自由に入れ替え可能な方式に改造できます。





 本品はリプロダクション(復刻品)ではなく、真正のアンティーク品です。この時代の額が未使用品のまま見つかることなど、まずありません。非常に珍しい品物で、類品の再入荷は不可能と思われます。





額の価格 ひとつ 16,800円  ※ 色をご指定くださいませ。

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




その他のアンティーク美術品と工芸品 商品種別表示インデックスに戻る

その他の美術品と工芸品 一覧表示インデックスに戻る


美術品と工芸品 商品種別表示インデックスに移動する


アンティークアナスタシア ウェブサイトのトップページに移動する




Ἀναστασία ἡ Οὐτοπία τῶν αἰλούρων ANASTASIA KOBENSIS, ANTIQUARUM RERUM LOCUS NON INVENIENDUS