羊飼い
The Shepherd
スティール・エングレーヴィング 1877年
原画の作者 ローザ・ボヌール (Rosa Bonheur, 1822 - 1899)
版の作者 チャールズ・カズン (Charles Cousen, 1819 - 1889)
画面サイズ 160 x 253 mm
≪原画の作者について≫
ローザ・ボヌール(Rosa Bonheur, 1822 - 1899)は最も有名な動物画家のひとりです。風景画家であった父親は彼女が美術、とりわけ動物画に関心を持つようにと考えて、パリのアパルトマンの6階にある自宅のベランダで彼女が羊を飼うことを許しました。
ボーイッシュな髪型で煙草を吸い、男性のように馬にまたがるローザは様々な「神話」を生みました。動物の体を解剖学的に観察しようと屠場に出かけたり、男装を好んで、スボン着用の正式な許可を警察に求めたといった逸話があります。
ローザは私生活において急進的であった反面、絵画の様式に関しては保守的で、ありのままの自然にできるかぎり近付こうとしました。1841年から 1853年にかけて、ローザはパリのサロン展に動物画を毎年出品して人気画家としての地位を固め、1845年には3等、1848年には金メダルを獲得しています。フランス政府の注文を受けて描いた1850年の作品「ニヴェルネの犂」(Labourages Nivernais)はフランス画壇における彼女の地位を不動のものとし、1853年のサロン展に出品した大作 「馬の市」(Le Marche aux chevaux)によって国際的な名声を確立しました。この絵はパリで開かれる家畜市を描いた作品で、ローザは目立たないように男装をして、市の会場に1年半通ってこの作品のためのスケッチをしたといわれています。
ローザ・ボヌール (E. L. デュビュフェの絵に基づくエングレーヴィング)
ビーのシャトーでくつろぐローザ・ボヌール
「ニヴェルネの犂」 Labourages Nivernais 1850年 カンヴァスに油彩 134 cm x 260 cm パリ、オルセー美術館蔵
「馬の市」 Le Marche aux Chevaux 1853年 カンヴァスに油彩 244.5 cm x 506.7 cm ニューヨーク、メトロポリタン美術館蔵
ライオン Lion 1872年
子牛の乳離れ The Weaning of the Calves 1879年
≪この作品について≫
放牧地から戻ってくる羊飼いと羊たちを描いた作品。空はすでに暗くなりかけていて、遠くの木立を背景に美しい残照が見えます。羊たちは追い立てられるのではなくて、自ら羊飼いについてきています。羊飼いは歩みを止めて、はぐれそうになった羊を牧羊犬が群に戻すのを待っています。遠くの犬の吠え声がかえって平和なひとときを強調します。
有名な「馬の市」とは対照的な静けさと自然の優しさに包まれたこの絵は、ローザ・ボヌールの傑作のひとつと言って良いのではないでしょうか。
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