エイブラハム・ソロモン作 「病は気から」 モリエールの喜劇に基づく細密エングレーヴィング 高名な版画家による楽しい作品 1880年代
La Malade Imaginaire
原画の作者 エイブラハム・ソロモン (Abraham Solomon)
版の作者 ハーバート・ボーン(H.erbert Bourne)
画面サイズ 縦 232 mm 横 189 mm
≪モリエールの医師批判について≫
モリエール(Moliere, 本名 Jean Baptiste Poquelin, 1622 - 1673)はコルネイユ(Pierre Corneille,
1606 - 1684)、ラシーヌ(Jean Racine, 1639 - 1699)と並んでフランスの三大古典劇作家に数えられます。優れた喜劇作家であり、役者であり、モリエール一座の座長として、演劇史に大きな足跡を残しています。
モリエールはその作品のなかでさまざまな人々を風刺していますが、なかでも医者は格好のターゲットでした。モリエール自身も肺結核を患っており、医者にかかってもいっこうによくなりませんでしたし、「恋こそ名医」(
L’Amour Medecin, 1665)を書いた前年つまり1664年には、生後 10ヶ月の息子ルイ、妹マリー・マドレーヌ、一座の俳優デュ・パルク、友人ラ・モート・ル・ヴェイエを亡くしています。医者に対するモリエールの不信は「病は気から」(
La Malade Imaginaire, 1673)のベラルドのせりふ(「医学は病気にも治療にも負けないぐらい健康な人のためにあるのよ」)にもよく表れています。モリエールは王室御用達の家具・内装職人の子でしたので、王室の人々と親しく、宮廷お抱えの侍医たちを間近に観察する機会に恵まれていました。これらの侍医やパリの名医と呼ばれる人たちの名前をもじってラテン語風にしたものが、モリエールの劇に登場する医者たちの名前になっています。
≪この版画について≫
「病は気から」の1シーン。健康を気にするあまり自分が病気だと思い込んでいるアルガン氏宅を、医師のディアフォワリュス親子が訪ねています。父が尊大かつ深刻な表情で脈を取り、息子はまるで悲劇俳優のように片手を挙げて、前もって父に指示されて丸覚えした診断を宣告しています。それを聞いてまるで今にも気絶しそうな「患者」アルガン氏。小間使いのトワネットにはアルガン氏が病気でも何でもないことが分かっていて、医者親子の会話を聞いておかしくてたまらない様子です。
モリエールはこの喜劇で自らアルガン氏を演じましたが、4度目の公演中に倒れて自宅に運ばれ、数時間後に亡くなりました。
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