修道女のものであった1930年代のイタリア製ロザリオ。ビーズは黒檀製で、通常の59個です。立体的なセンター・ピースには聖心のイエスが浮き彫りにされています。裏面の女性は聖マルグリット=マリ (Marguerite-Marie Alacoque, 1647 - 1690) です。
クルシフィクス(磔刑像)の十字架は装飾的なデザインで、裏面中央にイエスの聖心、最下部にマリアの星とモノグラムをあしらい、「かくも人を愛されたこの聖心を見よ」「父よ、彼等を赦したまえ」と書かれています。これは贖宥(しょくゆう)のクルシフィクスと呼ばれるものです。贖宥(あるいは免償)とは、告解により罪を赦されたあとに受けるべき罰を軽減あるいは免除されること、また煉獄で受ける罰を軽減あるいは免除されることです。贖宥のクルシフィクスに関しては次のことが約束されています。
・このクルシフィクスを身に付ける者は分贖宥(部分免償)を得ることができる。
・このクルシフィクスに心を込めて接吻する者は分贖宥(部分免償)を得ることができる。
・臨終の際に病者の塗油を受けてこのクルシフィクスに接吻する者は全贖宥(全免償)を得ることができる。
・このクルシフィクスの贖宥は煉獄にある魂に及ぶ。(ピウス10世教皇の宣言による)