ルーサイトと思われる黒い球形ビーズを使用した美麗なロザリオ。ルーサイトはプレクシグラスとも呼ばれる優れた質感のアクリル樹脂で、この時代にようやく実用化されました。主の祈りのビーズには金属のキャップも取り付けてあり、丁寧なつくりです。
クルシフィクスは、直線的でスタンダードなラテン十字型でありながらも繊細な線で縁取った十字架に、打ち出し細工ではないソリッドなキリスト像を取り付けています。裏面には手彫りで
L. ラヴィオレット (L. Laviolette) という名前が刻まれています。
センター・メダルは聖母マリアをあしらわず、キリストの横顔のみを浮き彫りにした珍しいものです。植物の曲線を多用したアール・ヌーヴォーのデザインで、メダルの全面にわたって、あたかも手彫りのようにさえ感じられる精緻な細工が施されています。
本物のアンティークならではの古色が、ロザリオに温かみと趣きを与えています。全体的に良いコンディションです。ビーズの黒と金属部分の金色が、視覚的にも美しい対比を為しています。