稀少デッド・ストック品 愛の赤によるエマイユとビーズ マリアのモノグラム 回心を求めるルルドの聖母のロザリオ 全長 54 cm


ロザリオの全長  54 cm

クルシフィクスを下にしてロザリオを吊り下げたときの、ロザリオ上端からセンター・メダル上端までの長さ  39 cm


クルシフィクスのサイズ  38.3 x 22.6 mm

ビーズの長径と短径  7 x 5 mm (概寸)


フランス  1960年代



 1960年代頃のフランスで制作されたシャプレ・ド・ラ・ヴィエルジュ(chapelet de la Vierge 聖母のロザリオ)。ガラス・ビーズとガラス・エマイユのアルマンディン・ガーネットにも似た深い赤が、金属部分の銀色の輝きと鮮烈な対照を見せています。





 本品のクロスは左右対称の幾何学的デザインによるアール・デコ様式で、別作のコルプス(キリスト像)を鋲留めしています。コルプスの銀めっきは、凹部の硫化による黒ずみが三次元性を強調するとともに、光と影による劇的効果を生み出しています。

 クロスはシンプルなシルエットのラテン十字で、装飾的なパターンを残して彫りくぼめ、凹んだ部分に彫金が施したうえで、赤色ガラスによるエマイユ・シャンルヴェで仕上げています。赤はキリストが十字架上で流された血の色であって、人智を絶する神の愛を象徴します。赤色エマイユで被われたクロスの彫金パターンは、交差部に彫られた小十字架から、あたかも神の愛が光となって発出するかのように見えます。





 十字架裏面には「ルルド」(Lourdes) の文字が刻まれています。

 本品を特徴づける「赤」は、現代では急進的政治思想や革命を象徴する色と考えられています。しかしこれは、フランス革命以降に赤旗の意味が変容した結果です。より古い伝統に基づけば、赤はむしろ危険に対する警告の色であり、望ましい秩序を象徴する色でした。フランス革命初期の憲法制定国民議会 (l'Assemblée nationale constituante) は、1789年10月、騒擾の際にはパリ市役所正面の窓及びすべての街路と四辻に赤旗が掲げられること、赤旗が掲げられた時点ですべての騒擾は犯罪行為と見做され、治安部隊が鎮圧にあたることを布告しました。「赤」はけっして革命の色ではなく、むしろ本来の秩序に戻るべきことを知らせる色であったのです。

 したがって本品の「赤」は神の愛の色であるとともに、神の許へと戻ることを放蕩息子に促す色でもあります。聖母がルルドに現れ給うたのも、フランスに回心を促すためでした。十字架に施された「エマイユの赤」と、裏面に刻まれた「ルルド」の文字は、「祈りなさい」「神の愛を思いなさい」「信仰に立ち返りなさい」という聖母の勧めを表しています。





 フランス語で「クール」(cœur 心臓、ハート)と呼ばれるセンター・メダルは、美しい唐草の彫金により、"AM" のモノグラム(組み合わせ文字)を模(かたど)ります。"AM" はラテン語で「マリアの庇護の下(もと)に」を表す「アウスピケ・マリアエ」(AUSPICE MARIAE) を意味します。受胎告知の際に救いを受け容れたマリアに倣って神の愛を受け容れることを、このシャプレ(ロザリオ)は勧めています。





 本品はおよそ50年前に制作された真正のヴィンテージ品ですが、未販売の状態で残っていたために、新品そのままの保存状態です。十字架のエマイユに破損は無く、ビーズもすべて揃っています。特筆すべき問題は何もありません。





本体価格 18,900円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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