稀少品 1846年9月19日 ラ・サレットの聖母 アルマ・クリスティと白色ガラスのシャプレ・ド・ラ・ヴィエルジュ


全長 53 cm


クルシフィクスのサイズ 37.1 x 24.6 mm (上部に突出した環状部分を含む)

クールのサイズ 20.9 x 17.3 mm (突出した環状部分を含む)


ビーズの直径 約 8 mm


フランス  19世紀中頃または後半



 聖母の清らかさを象徴するように真っ白な不透明ガラス製ビーズを使用したシャプレ・ド・ラ・ヴィエルジュ(chapelet de la Vierge 聖母のロザリオ)。いまから百数十年前のフランスで制作された美しい品物です。





  本品のクルシフィクスとクール(cœur フランス語で「心臓」「センター・メダル」)、及びチェーンは、すべてブロンズあるいは真鍮でできています。銀色の金属を使用するとロザリオ全体の印象が冷たくなりますが、本品では金属部分の鈍い金色が温かみを感じさせます。クルシフィクスを下にして本品を吊り下げるとクールが倒立しますが、これは19世紀のフランス製ロザリオの特徴です。





 十字架は細いラテン十字を鰭状に肉付けして幅を広げ、各末端に小さな円形装飾を配しています。コルプス(キリスト像)は十字架と同素材で別作したものを溶接しています。通常であればクロスの交差部に表現される後光、及びコルプスの頭上に表されるティトゥルス(TITULUS INRIの札)は略されています。


 十字架は腕木に金槌と釘抜きが付いた特徴的な形をしています。金槌と釘抜きは、十字架と同様に、「アルマ・クリスティ」(ARMA CHRISTI)、すなわちキリストの受難に関係のある道具類の一部です。

 1846年9月19日、フランス南東部ローヌ=アルプ地域圏イゼール県のコール (Corps) 近郊、ラ・サレット (La Salette) において、牛飼いの子供二人に対し、聖母マリアが出現しました。この聖母、ノートル=ダム・ド・ラ・サレット(Notre-Dame de la Salette フランス語で「ラ・サレットの聖母」)は首に鎖を掛けていて、鎖から下がった十字架には金槌と釘抜きが取り付けられていました。金槌はキリストの両手両足に釘を打ち込むためのもので、キリストを受難に至らせた人間の罪を象徴します。一方釘抜きはキリストを十字架から降ろす際に使われた道具で、罪と対極にある徳と信仰を表します。


(下) E. カシエ作 ルーベンスによる「十字架降架」 闇に打ち勝つ信仰 縦 405 x 横 325 x 厚み 65ミリメートル 19世紀の浮き彫り彫刻 当店の商品です。




 シャプレ(ロザリオ)のセンター・メダルをフランス語で「クール」(cœur 「心臓」「ハート」の意)といいますが、本品のクールは聖母の汚れなき御心を象(かたど)って、文字通り心臓形をしています。クールの一方の面では岩の上に腰かけた聖母が顔を覆って泣いており、「聖母の汚れなき御心」の図像において心臓を貫く悲しみの剣を思い起こさせます。すすり泣く聖母の周囲には、執り成しを願う祈りの言葉が刻まれています。

  Notre-Dame de la Salette, priez pour nous.  ラ・サレットの聖母よ、我らのために祈りたまえ。


 


 クールのもう一方の面にはラ・サレットの聖母の立ち姿が刻まれています。聖母の前には牛飼いの二人の子供、すなわち15歳の少女メラニー・カルヴァ (Melanie Calvat, 1831 - 1904) と11歳の少年マクシマン・ジロー (Maximin Giraud, 1835 - 1875) がいて、聖母の話に耳を傾けています。三人の足下には犬が寝そべっています。この群像を取り巻いて、先ほどと同じフランス語の祈りが刻まれています。

  Notre-Dame de la Salette, priez pour nous.  ラ・サレットの聖母よ、我らのために祈りたまえ。





 本品のビーズは白い不透明ガラスでできています。ガラスの保存状態は良好で、破損、欠損はありません。

 本品は59個のビーズから成る「シャプレ・ド・ラ・ヴィエルジュ」(chapelet de la Vierge 聖母のロザリオ)ですから、ビーズの色は聖母を象徴しています。聖母を象徴する色はさまざまですが、白は最もよく聖母を表します。あらゆる色のなかで、白こそは古代教会の時代以来最も卓越してキリスト教が愛した色でした。盛期中世の西ヨーロッパにおいて非常に力があった教皇インノケンティウス3世 (Innocentius III, 1161 - 1198 - 1216) は、典礼全般に関する著書「デー・サクロー・アルターリス・ミステリオー」("De Sacro Altaris Mysterio" ラテン語で「祭壇の聖なる秘儀について」)において典礼色について論じ、純潔を表す「白」は処女の祭日、証聖者の祭日、天使の祭日、クリスマス、顕現節、聖木曜日、復活の主日、キリスト昇天の祭日、諸聖人の日の色であると述べています。聖母像の百合も、常に白百合が描かれます。





 本品は百数十年前、19世紀のフランスで制作された真正のアンティーク品ですが、古い年代にもかかわらず良好な保存状態です。ガラス製ビーズに破損や欠損は無く、金属部分にも破損等の問題はありません。ラ・サレットにおける聖母出現は、十二年後に起こったルルドの聖母出現の陰に隠れて、すっかり目立たなくなってしまいました。ルルドの聖母をテーマに制作されたシャプレ(ロザリオ)は数多く見られますが、ラ・サレットの聖母にまつわるものはたいへん稀少で、めったに手に入りません。





28,800円

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