稀少品 サント・マリ・ド・ラ・メール(海の聖マリア) ガーネット色のガラスビーズのシャプレ


シャプレ(ロザリオ)の全長 22.5 cm

突出部分を除くメダイの直径 15.1 mm


フランス  1910 - 20年代



 一連の直線型ロザリオ。サント・マリ・ド・ラ・メール(海の聖マリア)のメダイをクルシフィクスの代わりに使った珍しいものです。

 10個のビーズはすべてガラス製で、うち9個は11面体に、1個は球に近い多面体にカットされています。ビーズの角(稜線)は摩耗により丸みを帯びていますが、仔細に観察すると、カットと研磨が手作業で行われていることがわかります。ビーズは煉瓦色がかったアルマンダイト、あるいはレッド・アンデシンの色をしており、かすかにオーロラ色を呈する表面加工が施されています。直径あるいは差し渡しのサイズは、およそ 6ミリメートルです。





 メダイの表(おもて)面は、マリア・サロメとマロア・ヤコベがカマルグに到着した場面を浮き彫りにしています。ふたりのマリアは、パレスチナから乗って来た帆も舵(かじ)も無い小舟に立っています。小舟の艫(とも)で櫂を持つのは天使です。

 フランス側に跪いて手を合わせ、聖女たちを迎えているのは、マルセイユの領主です。子供を異教の神の生贄に捧げようとしたこの領主は、ふたりのマリアとともにカマルグに渡って来たマグダラのマリアに導かれて、後にキリスト教に改宗しました。聖女たちがカマルグに到着したとき、マルセイユの領主はまだキリスト教徒ではないはずですが、この浮き彫りにおいて、領主の頭上には既に後光が描かれています。このように「気の早い」描写は、聖人伝の図像にたびたび見受けられます。地上で起こる物事を永遠の相の下(もと)で見れば、いまだキリスト教徒でさえない者であっても、後に聖人となることが神の摂理のうちに定められている、という考えに基づく描写なのでしょう。





 ふたりの聖女に執り成しを求める祈りの言葉が、この群像を囲むように記されています。

   Saintes Maries de la mer, priez pour nous.  サント・マリ・ド・ラ・メール(海の聖マリア)よ、われらのために祈りたまえ。


 メダイの裏面にはサント・マリ・ド・ラ・メールのバシリカが浮き彫りにされています。この聖堂は12世紀頃に建てられたもので、南フランスおよび西フランスに多い要塞型聖堂建築の例としてよく知られています。





 サント・マリ・ド・ラ・メールのシャプレは非常に珍しく、私自身も初めて目にしました。本品のスターリング・シルバー製引き輪は後付けで、10個目のビーズもおそらく後付けです。全体的なコンディションは極めて良好です。通常の使用に伴う小きずはありますが、特筆すべき問題はありません。





15,800円 販売終了 SOLD

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