最後の晩餐におけるイエズスと使徒ヨハネ 初聖体のカード

多色刷りタイポグラヴュア  105 x 61 mm

20世紀前半 ドイツ


描かれているのはヨハネによる福音書 13章の最後の晩餐の場面です。


主イエズスが弟子たちのなかでも特に愛された歳若きヨハネは、主の隣で食事の席に着いています。

卓上にはパンとぶどう酒が置かれています。


食事が始まるとき、イエズスは、まもなく自分が弟子の一人に裏切られるという予告をします。

シモン・ペトロがヨハネに向かって、主が誰のことを言っておられるのか尋ねるように合図をし、

ヨハネはイエズスの胸元に寄りかかったまま、「主よ、それは誰のことですか」とイエズスに訊ねています。



裏側には美しい手書きの文字でオランダ語の書き込みがあり、

1939年3月26日に、ベルギー中北部フラームス=ブラバント州の町イテルベーク (Itterbeek) にある聖ペトロ教会で、

少女が初聖体(初めての聖体拝領)を受けた記念のカードであることがわかります。


少女が初聖体を受けておよそ5ヵ月後の 1939年9月1日にはドイツがポーランドに侵攻し、第二次世界大戦が始まります。

1940年5月には、ドイツはベルギー、オランダ、フランスに進撃し、これらの国々を 1945年まで占領します。

初聖体を受けたばかりの幼い少女たちは無事だったでしょうか。また、いかに心細かったことでしょうか。


(参考価格 4,500円)


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