フランスの守護聖女であるジャンヌ・ダルクを描いた聖画。16歳のジャンヌは聖人たちのお告げに耳を澄まし、神の意志を確かめるかのように、ひとり静かに祈っています。ジャンヌを典型的な農家の娘として描いたこの聖画は、新古典派の彫刻家シャピュ
(Henri-Michel-Antoine Chapu, 1833 - 1891) の作品に基づいています。この有名な作品は数点が製作されていますが、1870年のサロン展に出典された最初の石膏像
(No. 4342) は翌年に国家(フランス)に買い上げられました。オルセー美術館には大理石の像が収蔵されています。
(下) 参考写真2枚 Henri-Michel-Antoine Chapu, Jeanne d'Arc à Domremy, 1870/72, marble, H 117cm, Musée d'Orsey
私は非常に強い近視で、微細なものが裸眼でよく見えますが、最初この聖画は古典的なフォトグラヴュアだと思いました。高倍率のルーペで精査して初めて、スクリーン・フォトグラヴュアであることがわかりました。現代の一般的なスクリーン・フォトグラヴュアよりもはるかに精密に複製されており、非常に高品質の聖画といえます。
聖画の下にはフランス語で次の言葉が書かれています。
Sainte Jeanne d'Arc, priez pour nous. 聖ジャンヌ・ダルクよ、我らのために祈りたまえ。
本品の版元はパリのミニャール (Mignard Editeurs, Paris) です。裏側は白紙です。