ジャン=バティスト=マリ・ヴィアンネ 列福記念


スティール・エングレーヴィング  116 x 74 mm

1905年



 アルスの主任司祭、ジャン=バティスト=マリ・ヴィアンネ(Jean-Marie Baptiste Vianney, dit le Saint Curé d'Ars, 1786 - 1859)を描いた小聖画。ジャン=バティスト=マリ・ヴィアンネ師は 1905年に教皇ピウス十世により列福、1925年に教皇ピウス十一世により列聖されます。

 この小聖画は 1905年に師が列福された際のもので、落ち着いた金色の縁で囲まれています。聖画は十九世紀に全盛期を迎えたのち写真術の発展とともに消滅した版画技法、スティール・エングレーヴィングによって描かれています。

 小聖画のなかの福者は、ミサのときの服装、すなわちカソックの上にアルバとストラ(ストール)を着けた姿で跪き、ロザリオの祈りを捧げています。ローヌ=アルプ地域圏アン県の小村、アルス=シュル=フォルマン (Ars-sur-Formans) の教会で、主任司祭として 41年にわたって精力的に活動した福者に、もっともふさわしい姿です。

 画面の左下には原画の作者 I. タンティ (I. Tanty) の名前、右下にエングレーヴァー F. フォーゲル (F. Vogel) の名前、中央にはカードの版元はパリの F. シェーファー (F. Schaeffer, 25, rue St. Sulpice, Paris) の名前が彫り込まれています(註)。その下に書かれている言葉は、次のとおりです。

  J. B. M. Vianney, Curé d'Ars Beatifie le 8 Janvier 1905  J. B. M. ヴィアンネ、アルスの主任司祭 1905年 2月 8日 列福

  propriété des Missionaires d'Ars  版権 アルス宣教師会

 裏側は白紙です。




(参考価格 3,800円)






註 十九世紀のスティール・エングレーヴィングにおいては、絵の左下に原画の作者名、右下に版の製作者名を記し、原画の作者名のあとには PINXT または DEL. を、版の製作者名のあとには SCULPT を付けます。それぞれラテン語で PINXIT(絵の具で描いた)、DELINEAVIT(線で描いた)、SCULPSIT(彫った)の意味です。たとえば、このカードで "I. Tanty del." と書かれているのは "I. Tanty delineavit."(I. タンティが線で描いた)の意味です。また "F. Vogel sc." は "F. Vogel sculpsit."(F. フォーゲルが版を彫った)の意味です。





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