十字架の道行きのロザリオ アルミニウムの大型クルシフィクスとメダイ こげ茶色の木製ビーズ 全長 45 cm
ロザリオの全長 45 cm
突出部分を含むクルシフィクスのサイズ 60.5 x 31.0 mm
フランス 19世紀後半
アルミニウム製のクルシフィクスとメダイに、木製のビーズを使用した十字架の道行きのロザリオ。今日では信じ難いことですが、19世紀のアルミニウムは金よりも高価でした。アルミニウムの安価な精錬法が確立されて地金価格が劇的に下落したのは、1890年頃のことに過ぎません。したがって19世紀のアルミニウム製メダイやロザリオは、当時としては高級品でありました。
クルシフィクスは、黒色の素材を象嵌したクロスにコルプス(キリスト磔刑像)をしっかりと鋲留めしています。コルプスはたいへん立体的でクロス表面から突出していますが、摩耗はほとんど見られず、たいへん良いコンディションです。
イエズスの頭上に "INRI"(IESUS NAZARENUS REX IUDAEORUM ユダヤ人の王ナザレのイエズス)の札、足下に髑髏(どくろ)が、やはり鋲留めされています。イエズスが十字架に架かり給うた「ゴルゴタ」という場所の名前は「髑髏」という意味で、伝承によると人祖アダムはここに埋葬されていました。アダムが原罪を犯したことによって「死」が生じましたが、イエズスは復活によって死に打ち勝ち給いました。髑髏は人祖アダムが犯した原罪と死の象徴であり、19世紀のクルシフィクスではこれをイエズスの足下に置くことによって、死に対するイエズスの勝利を表しています。
クロス裏側の交差部には、茨(いばら)の冠に囲まれた聖母の汚れ無き御心が取り付けられています。神への愛に燃える聖母の御心は、悲しみの剣に刺し貫かれています。
クラウン部分のそれぞれのメダイには十字架の道行きの場面が描かれ、裏面にフランス語で説明が書かれています。各メダイの内容は下の表の通りです。
フランス語 | 日本語訳 | 聖書の該当箇所 | |||||
I | JESUS EST CONDAMNE A MORT | イエズス、死刑判決を受け給う。 | マタイ 27:11 - 14 他 | ||||
II | JESUS EST CHARGE DE SA CROIX | イエズス、十字架を負わされ給う。 | マタイ 27:31 他 | ||||
III | JESUS TOMBE SOUS LE POIDS DE SA CROIX | イエズス、十字架の重みに倒れ給う。 | 正典福音書に該当無し | ||||
IV | JESUS RENCONTRE SA TRES SAINTE MERE | イエズス、聖なる御母に出会い給う。 | 正典福音書に該当無し | ||||
V | SIMON LE CYRENEEN AIDE JESUS A PORTER SA CROIX | キュレネ人シモン、イエズスが十字架を運び給うのを助ける。 | マタイ 27:32 他 | ||||
VI | UNE FEMME PIEUSE ESSUIE LA FACE DE JESUS | 神を畏れる女、イエズスの御顔を拭い奉る。 | 正典福音書に該当無し | ||||
VII | JESUS TOMBE POUR LA SECONDE FOIS | イエズス、再び倒れ給う。 | 正典福音書に該当無し | ||||
VIII | JESUS CONSOLE LES FILLES D'ISRAEL QUI LE SUIVENT | イエズスに付き従うイスラエルの娘らを、イエズス慰め給う。 | ルカ 23:28 - 31 | ||||
IX | JESUS TOMBE POUR LA TROISIEME FOIS | イエズス、三たび倒れ給う。 | 正典福音書に該当無し | ||||
X | JESUS EST DEPOUILLE DE SES VETEMENTS | イエズス、衣を奪われ給う。 | マタイ 27:35 他 | ||||
XI | JESUS EST ATTACHE A LA CROIX | イエズス、十字架に付けられ給う。 | マルコ 15:25, 26 他 | ||||
XII | JESUS MEURT SUR LA CROIX | イエズス、十字架上に息絶え給う。 | ヨハネ 19:28 - 30 他 | ||||
XIII | JESUS EST DEPOSE DE LA CROIX ET REMIS A SA MERE | イエズス、十字架から降ろされて御母に渡され給う。 | ヨハネ 19:38 他 | ||||
XIV | JESUS EST MIS DANS LE SEPULCRE | イエズス、墓に安置され給う。 | ヨハネ 19:39 - 42 他 |
センター・メダルの一方の面には祭壇に載せられた犠牲の子羊が描かれ、周囲に次のラテン語が書かれています。
AGNUS DEI QUI TOLLIS PECCATA MUNDI 世の罪を除き給う神の子羊
もう一方の面にはイエズスの象徴であるギリシア文字のモノグラム、イオタ、エータ、シグマ (IHS) が記され、周囲にフランス語で次の言葉が刻まれています。
VIVE JESUS. イエズスの生き給わんことを。イエズスに栄えあれ。
JE CROIS. JE SUIS CHRETIEN. 我、信ず。我、キリスト者なり。
クルシフィクスが下になるようにロザリオをぶらさげたとき、このロザリオのセンター・メダルは天地が逆になります。これは19世紀のロザリオの特徴です。
ビーズは木製で、黒に近い茶色に染められています。破損はしておらず、すべて揃っています。概ね球形ですが、ひとつひとつ手作業で製作されているために形とサイズが不揃いです。直径は5ミリメートル前後です。
このロザリオは真正のアンティーク品であるにもかかわらず、クルシフィクス、メダイ、ビーズ、チェーンとも特筆すべき問題は無く、非常に良いコンディションです。
本体価格 38,000円 販売終了 SOLD
電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。
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