聖母の戴冠
The Coronation of Virgin Mary



【聖母の戴冠】

 聖母の戴冠はルネサンス期のイタリア美術をはじめヨーロッパの宗教画において好まれる画題のひとつで、イエズスあるいは三位一体の神がマリアに冠を授ける様子が描かれます。戴冠したマリアの姿は東方教会のイコンにも見られますが、西ヨーロッパのように冠を授けるイエズスあるいは神がイコンに描かれることはありません。



(上) ボッティチェリ 「聖母の戴冠」 1490 - 92年 板にテンペラ 378 x 258 cm、フィレンツェ、ウフィツィ美術館 (Galleria degli Uffizi, Florence)


【天の元后】

 聖母マリアは「天の元后」(Regina Caeli) と呼ばれますが、これはマリアが神によって特別に選ばれてキリストを生んだ女性であること、また431年のエフェソス公会議において宣言されたように、子なる神イエズスを生んだ「神の母」(テオトコス)であるマリアは王であるキリストの母であることによります。*

* ここでいう「后」 (Regina) とは王の妻のことではなく、王の母を指します。列王記上 15:13


【玉座の聖母】

 「知恵の座の聖母」の図像の発展形として「玉座の聖母」が見られます。玉座の聖母の図像において書物は表されていませんが、「知恵の座の聖母」と同様、天使や聖人は伴われています。下のラファエロの作品において聖母子を取り囲むのは、向かって左手前から時計回りに、聖ペトロ、アレクサンドリアの聖カタリナ、聖アグネス(?)、聖パウロ、幼児である洗礼者ヨハネです。




(上) ラファエロ 「玉座の聖母子と聖人たち」 1504 - 05年 板にテンペラと金 172.4 x 172.4 cm、ニューヨーク、メトロポリタン美術館 (Metropolitan Museum of Art, New York City)



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