シャペル・ノートル=ダム・デュ・シャトー(城の聖母の礼拝堂)
La Chapelle Notre-Dame du Château, Allauch





 マルセイユの少し東に、マルセイユ大都市圏共同体 (La communauté urbaine Marseille Provence Métropole) に属する小都市アロ (Allauch) があります。この町を見晴らす丘の上にかつての教区教会、ノートル=ダム・デュ・シャトー(城の聖母)が建っており、同名の聖母子像が安置されています。

 ノートル=ダム・デュ・シャトーはもともと 12世紀に建てられた城の礼拝堂でした。城は 1595年に取り壊されましたが、礼拝堂は修復を繰り返して現在まで残っています。建物の頂上には女王の地位を象徴する笏(しゃく)を手にした聖母像が立っていますが、これは信仰に篤い人たちの寄贈によるものです。

 ノートル=ダム・デュ・シャトーは聖母マリアの巡礼地となっており、祈願が成就したことを聖母に感謝する非常に多くの捧げ物(エクス・ヴォートー EX VOTO)が納められています。捧げ物の年代は 17世紀から現代に至ります。毎年9月に8日間に亙って祝われる聖母の誕生祭 (l'Octave de Notre-Dame de Chateau)、12月24日に行われる聖劇「羊飼いの訪問」 (La Descente des Bergers) とその後の真夜中のミサには多くの巡礼者が集まります。


【城の聖母とアロの紋章】

 10世紀頃にアラブ人がこの地方に侵入し、アロの城砦を攻囲しました。砦の中の状況は悪化し、残された選択肢は餓死するか奴隷になるかしかありませんでした。そのとき城の聖母が与えてくれた知恵により、射手たちはわずかに残っていたパンを矢に射して、城の外に放ちました。アラブ人たちは城中に食物が豊富で、このままだと戦いが長引くと考え、包囲を解いて退却しました。アロの紋章はこの伝承に基づくデザインで、聖母の加護によってアラブ人から救われた日の夜、三つの星に囲まれて空に輝いていた下弦の月と、弓を表す二組の翼がモチーフになっています。






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