フランス、ジュアール修道院の壁掛け式メダイユ 「ノートル=ダム・デュ・ドン」 賜物の聖母

"Notre-Dame du Don" - une médaille de l'abbaye Notre-Dame de Jouarre


メダイユの高さ 115 mm  幅 50 mm  厚さ 6 mm (壁掛け用の金具部分を除く)

セーヌ=エ=マルヌ県、ベネディクト会女子修道院ノートル=ダム



 パリから東に60キロメートルほど離れた小さな町ジュアール(Jouarre イール=ド=フランス地域圏セーヌ=エ=マルヌ県)に、ジュアール修道院、すなわちベネディクト会の女子修道院ノートル=ダム (L'abbaye Notre-Dame de Jouarre) があります。

 ジュアールのベネディクト会修道院ノートル=ダムは7世紀に起源を遡(さかのぼ)る重要な巡礼地でしたが、フランス革命期の1792年に破壊されました。その後1837年に同じ場所に再建され、現在では女子修道院となっています。

 「祈り、働け」(ORA ET LABORA) というヌルシアの聖ベネディクトゥスの教えに従い、ジュアール修道院の一日は祈りの時間と労働の時間に二分されています。労働のための時間には、クレシュや聖画の製作が行われています。





 本品はジュアール修道院で制作された聖母子のメダイユで、「ノートル=ダム・デュ・ドン」(Notre-Dame du Don フランス語で「賜物の聖母」)と名付けられています。定冠詞付きの単数形「ル・ドン」(le don 「かの賜物」)とは、聖母を通して降誕し給うた救い主イエズス・キリストを指しています。

 このメダイユにおいて、「恩寵の器」たる聖母は天地を繋ぐようにすっくと立ち、捧げ物を差し出すかのように幼子イエズスを抱いています。聖母の腕から身を乗り出す幼子イエズスは、小さな体と両腕をせいいっぱい前方に伸ばして、罪人たちに近づこうとしておられます。

 イエズスによる救世は、聖母にとっては、心から愛するわが子イエズスを失うことを意味します。それゆえ幼子イエズスがまっすぐと前方を見つめておられるのに対し、聖母は心持ち顔を伏せておられます。

 このメダイユにおける聖母子像は、マッス(masse 塊)によるミニマリスティックな表現となっています。神の愛の大きさ、聖母の信仰の深さを余すところなく形にするのはどのような芸術作品によってもまったく不可能な事ですが、本品のメダイユ彫刻家は「レス・イズ・モア」、すなわち細部を簡略化して表現の内容を豊かにするという考えに基づき、神の愛と聖母の信仰の形象化に少しでも近づこうとしています。

 メダイユの最下部にジュアール女子修道院のモノグラムが刻まれています。"N D" は修道院の名前である「ノートル=ダム」(聖母)のことで、この修道院が聖母に捧げられていることに拠ります。


 このメダイユは数十年前のヴィンテージ品ですが、保存状態はきわめて良好です。特筆すべき問題は何もありません。





本体価格 11,800円 販売終了 SOLD

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