受胎を告知される若きマリア アール・デコの黒色ブロンズ製オラトワール


幅 92 mm   高さ 87 mm

フランス  1920年代頃



 昔のヨーロッパの家庭の一角、コアン・ド・デュに、十字架や聖像とともに置かれていた信心具、オラトワール (oratoire)。天使ガブリエルから受胎を告知される少女マリアの絵を切り抜いて、黒のベルベットを背景に、自立式のフレームに額装しています。整った横顔を見せるマリアは、非常に細かいフォトグラヴュアで描かれ、後光を金泥でベタ塗りしています。





 オラトワールのマリアはしっかりと目を開き、前方をまっすぐに見つめています。天使から救世主の受胎を告知されるという想像を絶する事態にもかかわらず、心の平和がうかがえるその表情からは、すべてを神に委ねるマリアの信仰が読み取れます。

  プロテスタントと違って、カトリックでは聖母マリアを大切にしますが、それは受胎告知の際、マリアがガブリエルに対して「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように」と答えたからです。プロテスタント思想においては、人間は善を為すことができません。人間にできるのは、罪を犯すことだけです。しかるにカトリックにおいては、人間は善を為す自由を有すると考えられています。神は救いを強制せず、マリアは自由意志を以って、全人類のために救いを受け入れるという善を為したのです。

 フレームはブロンズを硫化処理したものと思われ、表面は鉄の黒錆のような雰囲気に仕上げてあります。日本美術の強い影響の下(もと)、蕨(わらび)の若芽のような曲線的モティーフを採用しつつ、一部には幾何学的な直線も取り入れ、左右対称にすっきりと仕上げたデザインは、1920年代頃のアール・デコ様式です。フレームの裏側には「フランス製」(MADE IN FRANCE)、「949」の表示があります。

 このオラトワールは100年近く前に制作されたものであり、真正のアンティーク品ならではのパティナ(古色)が深い趣を醸しています。保存状態はたいへん優れており、特筆すべき問題は何もありません。





本体価格 27,800円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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