稀少品 ポンペイの聖母 ブロンズの盾形メダイ 29.2 x 16.5 mm
突出部分を含むサイズ 縦 29.2 x 横 16.5 mm
イタリア 1920年代頃
南イタリア、ポンペイの至聖なるロザリオの聖母のバシリカ (Santuario della Beata Vergine del Rosario di Pompei) にある有名な聖画、「ロザリオの聖母」のメダイ。ブロンズを鋳造した作品で、聖母子とふたりの聖人を浮き彫りにした部分は楕円形ですが、メダイ全体は特徴的な盾形のシルエットを有します。上部に見られるギリシア風のミアンダー文はアール・デコ様式の装飾に多用されますが、植物のようにたおやかなメダイ左右の縁取りには、左右対称ながらもアール・ヌーヴォーの残り香が感じられ、特定の様式に基づかない独特なデザインとなっています。
楕円形画面中央奥の一段高いところには聖母子、手前左にはグスマンの聖ドミニコ、手前右にはシエナの聖カタリナが浮き彫りにされています。聖人たちは戴冠した聖母子の前に跪き、ロザリオを受け取ろうとしています。聖母子の台座に彫られている「アヴェ・マリア」(AVE
MARIA) は、 ロザリオの祈り、すなわち「天使祝詞」の冒頭の言葉です。
ルカによる福音書 1章26節から38節に記録されている「受胎告知」において、天使ガブリエルがマリアに話しかける際、最初に発した言葉が「アヴェ・マリア」です。ギリシア語「カイレ・マリア」をラテン語に訳したのが「アヴェ・マリア」ですが、「カイレ・マリア」は「喜べ、マリア」という意味で、ガブリエルはこの言葉によってメシア(救い主)の誕生を予告しています。「カイレ・マリア」の意味については受胎告知に関する解説ページに書きましたので、ご参照ください。
裏面にはイタリア語で「ポンペイの記念」(ricordo di Pompei) と書かれており、南イタリア、ポンペイにある「至聖なるロザリオの聖母のバシリカ」巡礼の記念メダイであることがわかります。
本品はいまからおよそ90年前に制作された真正のアンティーク品ですが、古い年代にもかかわらず、特筆すべき問題はありません。聖母子と聖人の衣の襞、「アヴェ・マリア」の文字等の細部まで良く保存されています。ブロンズにめっきを掛けていないのも珍しい点で、ユニークなデザインと色、アンティーク品に相応しい落ち着いた趣(おもむき)を兼ね備えた一品となっています。
本体価格 11,800円
電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。
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