銀無垢の高級品　二色の青によるエマイユ・シャンルヴェ　バシリカとライオンと聖母子像　ノートル＝ダム・ド・フルヴィエールのメダイ　18.4 x 12.0 mm


突出部分を含むサイズ　縦 18.4 x 横 12.0 mm

フランス　　 1940年代後半

　一方の面にリヨンの聖母子像「ノートル＝ダム・ド・フルヴィエール」（Notre-Dame de Fourvière　リヨンの聖母）、もう一方の面に聖母子像と同名の聖堂「ラ・バジリク・ノートル＝ダム・ド・フルヴィエール」を刻んだアール・デコ様式のメダイ。

　メダイのシルエットは複雑な多角形で、いずれの面も九つの小画面に分割され、エマイユ・シャンルヴェを施されています。中央にある六角形が最大の画面で、明るい青の色ガラスに被われています。これを取り巻く八つの小画面は、あたかも最高のブルー・サファイアのように、わずかにすみれ色がかった鮮やかな青色です。この色はフランス語で「ブリュ・マリアル」(bleu marial)、英語で「マリアン・ブルー」(Marian blue) と呼ばれる「マリアの青」です。

　上部に突出した環状部分に、800シルバーのポワンソン（ホールマーク）が刻印されています。




　メダイの一方の面には、中央の画面にリヨンの聖母子像ノートル＝ダム・ド・フルヴィエールを浮き彫りにしています。聖母子は戴冠して長いマントを身に着け、それぞれの聖心をペンダントのように首から下げています。足元では天使たちが聖母子を見上げています。


（下・参考画像）　聖母子像「ノートル＝ダム・ド・フルヴィエール」（フルヴィエールの聖母）　古い版画より




　エマイユ・シャンルヴェのうち、融解したガラスで浮き彫りを被う技法を「エマイユ・シュル・バス＝タイユ」（émail sur basse taille　フランス語で「浮き彫りに掛けたエマイユ」）と呼びます。このエマイユ・シュル・バス＝タイユでは、天空の色である明るい青、スカイブルーのエマイユが、ノートル＝ダム・ド・フルヴィエールを被っています。これはリヨンの守護聖女ノートル＝ダム・ド・フルヴィエールが天上にあること、すなわちリヨンが天上なる栄光の聖母子に守護されていることを表しています。





　上の写真は実物の面積を80倍に拡大しています。定規のひと目盛は 1ミリメートルです。聖母子の頭部は直径 1ミリメートルに満ちませんが、目鼻が作られていることがわかります。






　もう一方の面には、リヨン市街を一望するフルヴィエールの丘に建つバシリカ、「ラ・バジリク・ノートル＝ダム・ド・フルヴィエール」（ノートル＝ダム・ド・フルヴィエールのバシリカ）と、リヨンを象徴するライオンを浮き彫りにしています。

　「ラ・バジリク・ノートル＝ダム・ド・フルヴィエール」は、1870年のリヨン・コミューンにおける社会主義的価値観に対してキリスト教が勝利をおさめた象徴として、1872年から1896年にかけて建設されました。フルヴィエールの丘にはそれ以前にも小さな聖堂が建っていましたが、ファサードの高さ 56.7メートルという威容を誇る新バシリカは、リヨンが聖母の庇護の下にあることを誇らしげに示しています。





　このメダイが制作された 1940年代後半は、第二次世界大戦で大きな痛手を負ったフランスが、再び立ち上がろうとしていた時代です。銀とエマイユを使用した美しいメダイには、聖母への感謝の気持ちと、母を信じる子供にも似た聖母への信仰が読み取れます。

　本品は 70年近く前に制作された真正のヴィンテージ品ですが、銀製部分、ガラス製エマイユとも特筆すべき問題は一切ありません。たいへん良好な保存状態です。

本体価格　11,800円　販売終了　SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール（procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp）にてご注文くださいませ。




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