フランス南西部のピレネー山中、聖地ロカマドゥールの教会に安置されている黒い聖母のメダイ。
メダイの表(おもて)面には聖母子が浮き彫りにされています。この聖母子の姿は、聖母の体格や腕の位置、幼子イエズスの体の向きや腕の位置が実際の「ロカマドゥールの聖母」とは異なっており、有名な黒い聖母像をそのまま写したというよりも、むしろ天上なる聖母子の姿を描いたものと考えられます。
聖母子の周囲にはフランス語で「ロカマドゥールの聖母」(Notre-Dame de Roc-Amadour) と書かれています。ロカマドゥールという地名は「聖アマドゥールの岩山」という意味であるとされ、「ロック=アマドゥール」(Roc-Amadour)
とハイフンでつないだ表記は、この地名の由来を表します。上部の環付近に 800/1000シルバーのホールマーク(イノシシの頭)が刻印されています。
メダイの裏面には地名の由来となった聖人、聖アマドゥールが十字架像の前に跪く姿が浮き彫りにされ、周囲に次のフランス語が刻まれています。
Saint Amadour, priez pour nous. 聖アマドゥールよ、我らのために祈りたまえ。
ロカマドゥールのメダイのなかでも、聖アマドゥールの姿を刻んだものはごく古い時代のものにしか見られません。このメダイも100年以上前のものです。メダイ上部の孔に環を取り付けてお渡しいたします。