スペインとスペイン系の諸国民の守護聖女、サラゴサのヌエストラ=セニョラ・デル・ピラル(柱の聖母)が、1905年に戴冠した際の稀少な記念メダイ。聖品に使われる最高級の素材、銀を左右対称の装飾的なシルエットに切り抜き、浅浮き彫りの聖母子像を鋳造によって表現しています。
聖母は後光と一体化した巨大な冠を頭上に戴き、幼子イエズス・キリストを左腕に抱いて、ギリシア十字の付いた柱上に立っています。聖母子を取り巻くように、ビュラン(グレイヴァー)による手彫りの彫金装飾が施されています。聖母子の両側に彫られた花は、聖母の象徴である白百合を象(かたど)っていると思われます。
裏面にはスペイン語で「レクエルド・デ・ラ・コロナシオン」(recuedo de la coronación 戴冠記念)と刻印されており、1905年にヌエストラ=セニョラ・デル・ピラルが戴冠した記念に製作されたものであることが分かります。
本品は制作から百年以上が経過した真正のアンティーク品ですが、古い年代にもかかわらず、特筆すべき問題はありません。商品写真は実物の面積を40倍以上に拡大していますので、突出部分の磨滅が良く判別できますが、実物を肉眼で見ると充分に美しいコンディションです。サイズも大きめで、立派なアンティーク・ペンダントになります。