極稀少品 サラゴサの柱の聖母 天使に囲まれるヌエストラ=セニョラ・デル・ピラル すみれ色ガラス・エマイユの美麗メダイ 直径 29.4 mm


突出部分を除く直径 29.4 mm

スペインまたはフランス  1946年頃



 スペインとスペイン系の諸国民の守護聖女、サラゴサのヌエストラ=セニョラ・デル・ピラル(柱の聖母)の美麗なメダイ。1946年6月24日、教皇ピウス12世により、ヌエストラ=セニョラ・デル・ピラル聖堂は小バシリカとされました。このメダイはおそらくその記念として制作されたものであろうと思われます。





 聖母子像の浮き彫りには、かつてカシミールで産出した最高のサファイアのように、わずかにすみれ色がかった濃い青の半透明ガラスによるエマイユが掛かっています。またその周囲には真っ白な不透明ガラスのエマイユによる縁取りがあって、二つの色彩の調和が清澄な天上の音楽を奏でています。すみれ色がかった濃い青は、フランス語で「ブリュ・マリアル」(bleu marial)、英語で「マリアン・ブルー」(Marian blue)、すなわち「マリアの青」と呼ばれます。バロック期以降の図像において、聖母は白い衣に「マリアの青」のマントを羽織った姿で表されますので、このメダイに使われている青と白のエマイユは、聖母を自然に連想させる組み合わせとなっています。


(下・参考画像) Francisco de Zurbarán, La Inmaculada Concepción, 1661, óleo sobre lienzo, 136.5 x 102.5 cm, Szepmuveszeti Muzeum, Budapest




 浮き彫りで表された聖母は、右腕に抱いた幼子イエズスのほうに優しい眼差しを向けています。幼子イエズスは右手で聖母の衣を掴み、左手には鳥を留まらせています。


(下・参考画像) 聖母子像ヌエストラ=セニョラ・デル・ピラル。高さ 38センチメートルの木像。




 聖母子像は紀元40年に聖母が出現して以来場所を変えていないといわれるジャスパーの柱、ラ・サンタ・コルムナ (la Santa Columna) の上に立っています。ラ・サンタ・コルムナはブロンズと銀でできたカバーで覆われており、ギリシア十字が付いています。


(下・参考画像) ゴヤによるヌエストラ=セニョラ・デル・ピラル聖堂のフレスコ画(部分)




 柱の聖母の下半身から柱頭にかけての部分は、ふだん円錐台形のマントに覆われていますが、このメダイでは全身が露出しており、いかにも後期バロックの彫刻作品らしく優雅に体をひねったコントラポストの姿勢を目にすることができます。ヌエストラ=セニョラ・デル・ピラルは雲に取り巻かれ、天使たちの崇敬を受けています。これはヌエストラ=セニョラ・デル・ピラルが天上で戴冠した栄光の聖母であることを表しています。

 エマイユを掛けたメダイは大きなものを制作するのが困難ですが、本品は3センチメートル近い直径があり、たいへん立派なサイズです。またエマイユの色も他のエマイユ掛けメダイに比べてはるかに深みがあり、すみれ色に近い色合いが高貴さを感じさせます。下の写真は、一般的な大きさのエマイユ掛けメダイと並べて撮ったもので、左が本品、右上はアール・デコの聖母のメダイ、右下はロカマドゥールの聖母のメダイです。





 本品は 1946年頃に作られたものですが、当時のまま全く劣化の無い良好な保存状態です。特筆すべき問題は何もありません。作風の点でも、ほとんど常に素朴な作りであるヌエストラ=セニョラ・デル・ピラルのメダイのなかで、このように洗練されたものを目にしたのは、私自身初めてです。これまでに制作されたヌエストラ=セニョラ・デル・ピラルのメダイでも、最も美しく、類例の無い稀少な作品です。





本体価格 32,800円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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