八角形を変形させたアール・デコ様式のメダイ。直径およそ11ミリメートルの円内に、伏し目がちの聖母の横顔を浮き彫りにしています。小さなサイズの浮き彫りですが、深い精神性をたたえた表現に成功しています。
このメダイは憂いを含んだ聖母の表情がよく描写されていると同時に、細部も丁寧に作り込まれています。肉眼で見ても気付きにくいのですが、聖母の後光は植物文のようなパターンが浮き彫りにされたリボンの形状をしています。
メダイは銀色の合金製で、ホールマークはありません。裏面にフランスのメーカーの刻印があります。表面の軽い摩耗によって少し丸みを帯びて、優しい印象のメダイには、真正のアンティーク品ならではの趣があります。