稀少品 無原罪の御宿り 球体上に蛇を踏みつける聖母マリア ブロンズに黄金色のエマイユ・シャンルヴェ ミニマリズムのメダイ 直径 20.6 mm


突出部分を除く直径 20.6 mm

フランス  1950 - 60年代



 ミニマリズムに基づくデザインとエマイユが稀少な無原罪の御宿りのメダイ。

 注文さえすればいくらでも入手可能な現行品に比べ、ヴィンテージ、アンティークのメダイはいずれも稀少ですが、品物によって稀少性に差があります。「無原罪の御宿り」は「バック通りの聖母(不思議のメダイの聖母)」や「ルルドの聖母」を含むポピュラーなテーマであるゆえに、全く同じではないにせよ、似たようなデザインのメダイが多くなりがちです。しかるに本品は非常にユニークな作品で、私自身、類品を目にしたことがありません。





 本品はブロンズ製で、片面に「無原罪の御宿り」、すなわち原罪を受け継がずに母アンナの胎内に宿ったマリアの姿を、大胆な線画で表現しています。「斜め下に向けて両腕を広げた聖母」、「聖母の足下の球体と蛇」、「聖母を取り巻く十二個の星」の描写は、いずれも「無原罪の御宿り」の図像学的伝統ですが、本品の聖母像は正統的イコノロジー(図像学、図像表現)の伝統に従いつつも、聖母の姿を単純な線に還元し、20世紀中頃の作例にしかあり得ない表現となっています。

 通常のメダイに見られる凝った装飾や人物像を徹底的に排して、すべてを単純な線に還元したデザインは、1960年代を特徴付ける美術思潮「ミニマリズム」から、強い影響を受けています。ミニマリズム(英 minimalism 仏 minimalisme)の思想は、ドナルド・ジャッド (Donald Clarence Judd, 1928 - 1994)、ロバート・モリス(Robert Morris, 1931 - ) らに代表される芸術運動で、その思想はバウハウスの流れを汲む建築家ルートヴィヒ・ミース・ファン・デア・ローエ (Ludwig Mies van der Rohe, 1886 - 1969) の「レス・イズ・モア」("Less is more." 「最小限に切り詰めた表現によって、より豊かな内容をあらわすことができる」との意味)という言葉に集約されています。本品はあらゆる芸術表現を超えた神秘、「無原罪の御宿り」という深遠な神秘に、極力単純化した表現によって少しでも近づこうとしています。





 本品には鬱金(うこん、ターメリック)の半透明ガラス、及び黒の不透明ガラスを用いて、エマイユ・シャンルヴェが施されています。

 キリスト教の象徴体系において、黒は地上を表します。これに対して栄光に満ちた天国は金色で表されますが、このメダイでは鬱金を金の代用としています。本品のメダイユ作家はブロンズが露出している部分にも金めっきを掛けず、敢えて質素な作りにして、田舎の村ナザレに生まれた少女マリアの、野の花のような美しさを表現しています。

 また透明な鬱金は、新しいエルサレムの大通りが「透き通ったガラスのような純金 」(χρυσίον καθαρὸν ὡς ὕαλος διαυγής) であった、という「ヨハネの黙示録」21章21節の記述を思い起こさせます。罪に濁らないマリアの澄み切った美しさは、「透き通ったガラスのよう」な天国の金、すなわち天国の穢れ無さの反映です。本品に使用された鬱金色ガラスの透明感は、「無原罪の御宿り」を象徴するのにこの上なくふさわしいといえましょう。


 本品はおよそ50年ないし60年前のフランスで制作された真正のヴィンテージ品ですが、古い年代にもかかわらず良好な保存状態です。エマイユのガラスに破損は無く、金属部分にも特筆すべき問題はありません。





本体価格 11,800円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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