純金箔による無原罪の御宿り 打ち出し細工による聖母 青色ガラスに800シルバーの枠付 16.0 x 12.8 mm


突出部分を含む縦横のサイズ 16.0 x 12.8 mm  最大の厚さ 5.3 mm

フランス  1850 - 1880年代頃



 丸みのある形が愛らしい聖母のメダイ。濃いブリュ・マリアル(マリアン・ブルー)のガラスを使ったカボション型ビーズに、純金箔の聖母像を浮かべ、800シルバー製の枠を取り付けています。

 華やかな金色と鮮やかな青の組み合わせは見た目もたいへん美しいですが、それぞれの色にはキリスト教的な深い意味、象徴性が込められています。すなわち青はマリアの色であるとともに、空の色、すなわち天国を象徴する色でもあります。金も青と同様に天国の栄光を表します。





 聖母は球体の上に立ち、両手を斜め下に向けて広げています。これは「無原罪の御宿り」(IMMACULATA CONCEPTIO) を表す伝統的図像で、不思議のメダイの聖母も同じ姿勢を取っています。聖母像は不透明ガラス製のカボション・ビーズに純金箔を貼り付け、その上から透明ガラスあるいはガラス質の釉薬を流し掛けることで固定されています。聖母像の高さは、足下の球体を含めても7ミリメートルしかありませんが、流れるような衣の襞(ひだ)がきちんと表現されています。



 メダイの裏面はヴェールを被った聖母が打ち出し細工で表現されています。聖母の顔の高さは2ミリメートルに足りませんが、光を当てる方向を変えると、小さいながらも整った目鼻立ちに作られていることがわかります。長い年月の間に硬い物とぶつかることがあったのか、打ち出しの一部が凹んでいますが、分厚くしっかりとした銀の板が使用されているため、凹みが拡大したり破損したりすることはありません。

 カボション・ビーズを嵌め込んだ銀製の枠は、十字架と唐草を組み合わせたデザインで、打ち出し細工を施した二枚の銀板を合わせることにより、立体的に仕上げています。800シルバーを示すフランスのホールマーク(イノシシの頭)が、上部の環に刻印されています。



 本品は「無原罪の御宿り」の教義が注目を浴びた時代に制作されたもので、19世紀フランスならではの品物となっています。青と金の取り合わせが見た目に美しいですが、それぞれの色には深い意味があります。5ミリメートルを超える厚みの、丸みを帯びたデザインも可愛らしく、保存状態も良好です。





本体価格 16,800円 販売終了 SOLD

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