第一次世界大戦で親を失った子供たちのために花を買ったり寄付をしたりした人たちに贈られたメダイ。1910年代後半のものです。このメダイは厳密に言えば宗教のものではありませんが、女性が孤児たちをマントの下に迎え入れる構図には、聖母マリアの伝統的図像の影響が明らかです。
一方の面には幼い子供たちを優しく守る女性あるいは聖母を浮き彫りにし、次の言葉がフランス語で刻まれています。
J'aide et Je console. 私は援ける。私は慰める。
もう一方の面には花を売り歩く少女の姿が浮き彫りにされ、次の言葉がフランス語で刻まれています。
La Fleur de l'Orphelin 孤児の花
左下にゴドフロワ・デフリーゼ (Godefroid Devreese, 1861 - 1941) のサインがあります。デフリーゼは 1900年代から
1920年代を中心に活躍した彫刻家で、正統的アール・ヌーヴォー様式による数々の優美な作品で知られています。本品はいかにもデフリーゼの作品にふさわしく、上部の環も花で飾られたアール・ヌーヴォーの美しいメダイです。