ヴィンテージ未使用品 フィリップ・シャンボー作 《神に包まれたマリア 光のメダイユ 直径 22.6 mm》 受胎告知のペンダント フランス 1960年代


突出部分を除く直径 22.6 mm  最大の厚み 2.9 mm

重量 5.1 g



 神の力と愛に包まれ、受胎を告知される少女マリアのメダイ。フランスのメダイユ工房ジャン・バルムがおよそ六十年前に制作し、販売されないまま見本として残されていた品物です。浮き彫りの作者は、ジャン・バルムの作品を手掛けている彫刻家フィリップ・シャンボー(Philippe Chambault, 1930 - )です。上部に突出した半円状の環に、メダイユ工房の刻印があります。





 本品の特徴は愛らしい少女マリアの姿と、少女を包む金色の光です。「ルカによる福音書」一章三十五節によると、マリアの前に現れて受胎を告知した天使ガブリエルは、「聖霊があなたに降(くだ)り、いと高き方の力があなたを包む。だから、生まれる子は聖なる者、神の子と呼ばれる」と言いました。しかるにトマス・アクィナスが「スンマ・テオロギアエ」第一部第三問(DE SIMPLICITATE DEI 神の単純性について)で論じているように、神のうちには如何なる複合もありません。したがって神の力は神ご自身と同じであって、神の力がマリアを包んでいるとは、神ご自身がマリアを包んでおられることを意味します。神の力に包まれているマリアは、神ご自身に包まれているのです。





 ガブリエルはマリアに対して「おめでとう、恵まれた方。主があなたと共におられる」(Χαῖρε, κεχαριτωμένη, ὁ κύριος μετὰ σοῦ. ルカ 1:28)、「マリア、恐れることはない。あなたは神から恵みをいただいた」(Μὴ φοβοῦ, Μαριάμ, εὗρες γὰρ χάριν παρὰ τῷ θεῷ: ルカ 1:30)と語りかけ、また「聖霊があなたに降り、いと高き方の力があなたを包む」(Πνεῦμα ἅγιον ἐπελεύσεται ἐπὶ σέ, καὶ δύναμις ὑψίστου ἐπισκιάσει σοι)と告げています。ガブリエルの言葉によって、カリス(希 χάρις 恵み、恩寵)とデュナミス(希 δύναμις 力)の一体性、あるいは不即不離性が示されています。





 神は物体ではなく、目に見えません。それゆえ神は図像に描くことができないし、実際のところキリスト教は神像の制作を禁じています。トマス・アクィナスがいう神の単純性ゆえに、神ご自身と神の本質、神の諸属性は区別することができません。それゆえ神ご自身を目で見ることができないのとまったく同様に、神から発出する力と恩寵も目で見ることはできません。

 しかるに教父時代と中世のキリスト教思想において、光だけは神に属しつつ目に見えるものであるとされました。それゆえ本品の少女マリアを包み込む柔らかな光は、神の力と恩寵の可視的表現であるとともに、神ご自身の顕現、図像に拠らない神の可視的表現であるといえます。





 本品浮き彫りにおいて、神に包まれたマリアは、脱魂状態に陥ることなく心静かに祈っています。「ルカによる福音書」が伝える受胎告知の記事においても、マリアは平常心を保ったまま天使と言葉を交わしています。脱魂状態にある人は、救いを自動的に受け入れるでしょう。しかるにキリスト教において、神は救いを強制しませんでした。これは少女マリアが正常な判断能力を保ちつつ、自由意思を以て救いを受け容れたことを意味します。マリアは神に抱かれつつも、脱魂状態には陥りませんでした。「お言葉通り、この身に成りますように」とマリアが答えたのは、自由意思を以て救いを受け容れる旨を、自分の言葉で言い表した回答です。





 思い返せば、モーセのときも、他の預言者たちのときも、神は常に人間の意志を尊重なさいました。神は全知全能ですから、人を脱魂状態に陥れ、思い通りに操ることが十分に可能です。それでも神はそうはなさらず、あたかも神と人とが対等であるかのように、人との間に人格的関係を築かれます。これはユダヤ教及びキリスト教の大きな特徴です。メダイユ彫刻家フィリップ・シャンボーは神に包まれつつ祈るマリアを彫ることによって、キリスト教が持つこのような特徴を作品のうちに可視化しています。





 本品は二十世紀半ばのフランスで制作された古い品物にもかかわらず、未販売のまま残っていた稀少なデッド・ストック品(未使用品)です。アンティーク品の摩滅や変色は品物の価値を減ずるものではありませんが、品物の作り手の意図と無関係に進行する経年変化であり、芸術作品の場合は本来の作風が薄められる事態も起こり得ます。しかるに本品は彫刻家フィリップ・シャンボーの意図したとおりの姿で作品が伝わっており、美術品としては理想的な保存状態と言えます。





 上の写真は本品を男性店主の手に載せて撮影しています。女性が本品の実物をご覧になれば、写真で見るよりもひと回り大きなサイズに感じられます。





 本品はペンダントとして使うには大きすぎず小さすぎず、日々ご愛用いただけます。上品な艶消しの浮き彫りを、煌めくファセット(小面)で取り巻いた本品は、救い主の母に相応しい落ち着きと、少女に相応しい華やぎを併せ持ち、年若いマリア自身のようなメダイユあるいはペンダントに仕上がっています。





本体価格 15,800円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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