メダイを抜け出るかのような聖母 優れた視覚効果の「不思議のメダイ」 22.5 x 19.2 mm


突出部分を除くサイズ 縦 22.5 x 横 19.2 mm

フランス  20世紀前半頃



 20世紀前半のフランスで制作された「不思議のメダイ」。文字を記した帯状部分の内縁が聖母像の背景よりも手前に突出しているために、平坦な背景が彫りくぼめられたかのように見え、聖母像を一層立体的に見せる視覚効果を上げています。本品を見つめていると、生身の聖母があたかも眼前におられるかのような錯覚さえ覚えます。


 メダイの表(おもて)面には球体の上で蛇を踏みつける無原罪の御宿り(聖母マリア)が浮き彫りにされています。





 八頭身の聖母は右脚に体重をかけたコントラポストの姿勢を取り、肩や腰、太もも等、体の各部は女性らしい丸みを帯びています。罪人を招くように前方に向けられた聖母の両手からは、恩寵の光が地上に降り注いでいます。聖母の手の形や衣の襞の優美な流れは大型の浮き彫り作品と同等の自然さで再現され、恩寵の光も溝ではなく凸の線で描かれています。苦しげに口を開いて舌を出したヘビのすぐ下に、不思議のメダイの聖母が出現した年号である "1830" が書かれています。フランスはメダイユ彫刻が極度に発達した国ですが、とりわけ古い時代の彫刻技術は驚くべき水準に達しています。

 聖母に執り成しを求めるフランス語の祈りが高さ1ミリメートルの極小の文字で記されて、聖母像を取り囲んでいます。

  Ô Marie conçue sans péché, priez pour nous qui avons recours à vous.  罪無くして宿りたまえるマリアよ、御身に頼るわれらがために祈りたまえ。





 メダイの裏面には「マリ・イマキュレ」(Marie Immaculée フランス語で「無原罪のマリア」)の頭文字 "M I" と十字架のモノグラム(組み合わせ文字)、左下にイエズスの聖心、右下にマリアの聖心を浮き彫りにし、十二個の星で囲んでいます。十二個の星の冠は「ヨハネの黙示録」12章1節において女が被っているものです。

 また、天に大きなしるしが現れた。一人の女が身に太陽をまとい、月を足の下にし、頭には十二の星の冠をかぶっていた。(「ヨハネの黙示録」12章1節 新共同訳)


 裏面の最上部には「フランス」(FRANCE) の文字があります。





 本品は数十年前にフランスで制作された真正のヴィンテージ品ですが、磨滅の程度も軽く、細部までよく残っており、古い年代を考えれば良好な保存状態といえます。大きな写真は実物の面積を40倍以上に拡大していますので、突出部分のわずかな磨滅が判別可能ですが、肉眼で実物を見ると十分に美しいことがおわかりいただけます。





本体価格 6,800円 販売終了 SOLD

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