稀少品 薔薇に埋もれたクルシフィクスに手を合わせるテレーズ フランスの美麗メダイ 直径 18.4 mm


突出部分を除く直径 18.4 mm

フランス  1940 - 50年代頃



 第二次世界大戦が終わった頃にフランスで制作された幼きイエズスの聖テレジアのメダイ。聖女像の周囲にラテン語で「幼きイエズスの聖テレジア」 (SANCTA TERESIA A JESU INFANTE) と刻まれています。





 リジューの聖テレーズと言えば、体を正面向きにし、目を開けて微笑みつつ、薔薇が咲きこぼれるクルシフィクスを胸に抱く図像が一般的です。ほぼすべてのメダイにおいて、テレーズはこの定型化された様式で描写されます。しかるに本品は定型化された様式を採用せず、メダイユ彫刻家の創意に基づく芸術作品としての性格が強く表れています。

 すなわち第一に、本品においてクルシフィクスはテレーズの胸に抱かれるのではなく、聖女の前にあって薔薇に埋(うず)もれています。クルシフィクスを聖女の胸に抱かせた画像と、聖女の前に置いた画像と、どちらがイエズスへの愛をより強く表現しているかは意見が分かれるところでしょうが、いずれもイエズスへの愛と崇敬の両方を表しつつ、前者はイエズスと一体となる愛を強調し、後者は崇敬を強調した表現といえるでしょう。定型化した図像と異なり、聖女がクルシフィクスに向けて手を合わせる姿が、イエズスへの崇敬を強調しています。

 第二に、本品の浮き彫りにおいて、聖女は正面を向かず、十字架上のイエズスにのみ、愛に満ちたまなざしを注いでいます。メダイユ彫刻家は、聖女の眼差しをメダイを見る者に注がせず、イエズスにのみ注がせることにより、テレーズとイエズスあるいは神との間の親密な対話を、メダイのこの面に図像化しています。この面においてクルシフィクスを取り囲む薔薇は、十字架上の受難に極まった神の愛の象徴であり、テレーズの魂における神の愛の反映の象徴です。





 裏面には、「私は天から薔薇の雨を降らせましょう」(ROSARUM IMBREM E COELO EFFUNDAM) というテレーズの言葉に基づき、地上に降り注ぐ薔薇の花と花びらを刻んでいます。薔薇の花の直径は大きなもので2ミリメートルほどしかありませんが、大型の彫刻作品と見まがうばかりの精巧さで彫られています。雲上すなわち天上から恩寵の光とともに地上に降り注ぐ薔薇の花と花びらは、人間に対する神の愛と、その愛の反映として聖女が人々を愛する愛の形象化です。したがってこのメダイは、表(おもて)面においてテレーズと神の間の愛を、裏面において天上のテレーズと地上にある人々との間の愛を、それぞれ形象化した作品と考えられます。

 本品は数十年前のフランスで制作された真正のヴィンテージ品ですが、古い年代にもかかわらず非常に良好な保存状態で、両面とも細部まで完全な状態で残っています。





本体価格 14,800円 販売終了 SOLD

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