巡礼姿の聖ロックと、パンを咥えた愛犬ロケ 細密彫刻の小メダイ 直径 16.4 mm


突出部分を除く直径 16.4 mm

 フランス  二十世紀中頃または後半



 貧しい身なりの巡礼者として表されたモンペリエの聖ロックのメダイ。フランスの古いメダイならではの、人間業とは思えない細密彫刻を楽しめる一枚です。





 聖ロックは裸足で跪き、天を仰いで神に祈りを捧げています。聖人の身なりはみすぼらしく、衣の左膝あたりには穴が開き、衣の裾も擦り切れていますが、聖人の顔には威厳があり、その表情は喜びにあふれています。写真では分かりにくいですが、衣の穴からは腺ペストの腫瘍痕が見えています。また聖人のマントには巡礼の象徴であるイタヤガイが数個取り付けられています。聖人は祈るために帽子を脱ぎ、肩の後ろに掛けていますが、この帽子にもイタヤガイが取り付けられています。聖人が跪く足下の地面には、細かい起伏や石などが写実的に表現されています。

 聖人の右(向かって左)には、愛犬ロケがパンを咥えて座っています。ロケは常に聖人とともに図像に表されることから、フランス語ではいつも一緒にいるひとたちのことを「聖ロックと犬みたいだ」(C'est St. Roch et son chien.) と言います。またふたつのものが不可分であることを「聖ロックが好きならその犬も好き」(Qui aime St. Roch, aime son chien.) と言います。

 聖人と愛犬を取り巻くように、執り成しを願う祈りの言葉がフランス語で刻まれています。

  Saint Roch, priez pour nous.  聖ロックよ、我らのために祈りたまえ。





 上の写真に写っている定規のひと目盛は一ミリメートルです。聖ロックの顔や手、愛犬ロケの顔などの細部はいずれも一、二ミリメートルという小さなサイズですが、大型の浮き彫り彫刻に劣らない正確さで、表情豊かに制作されていることがわかります。





 このメダイは数十年前のフランスで制作されたヴィンテージ品ですが、未販売のまま保管されていたデッド・ストック品(新品)と思われ、突出部分にもまったく摩耗が見られません。ルーペや顕微鏡で細密なミニアチュール彫刻の出来栄えを観察すると、十九世紀フランスのメダイユ彫刻の伝統が、この小さなメダイにも確実に継承されていることがわかります。直径 16.4ミリメートルと小ぶりのサイズながら、生身の聖人を眼前に見るかのような錯覚さえ覚えさせる力強い作品です。

 聖ロックは流行病から守ってくれる守護聖人であり、犬と愛犬家、皮膚や膝に病気がある人、障害者、いわれ無き中傷に苦しむ人、外科医、ネクタイ職人、墓掘り人夫、古物商、巡礼者の守護聖人です。聖ロックの祝日は 8月 16日です。





本体価格 6,800円 販売終了 SOLD

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