剣を抱くジャンヌ・ダルク　赤、紫、青のエマイユによる大型メダイ （その二）　直径 30.2 mm


上部の環を除く直径　30.2 mm

フランス　　20世紀後半

　直径およそ 3センチメートルの大型メダイ。500円硬貨二枚分に相当する14グラムの重量があり、手に取るとかなりの重みを感じます。





　17歳の少女ジャンヌは総重量二十キログラムに及ぶ十五世紀の甲冑を身に着け、剣を抱き、整った横顔を天上に向けています。ジャンヌの若く張りのある肌、つややかな髪、女性らしい体つきを保護する丸みを帯びた甲冑、首元に覗く鎖帷子（くさりかたびら）など、細部を忠実に再現した浮き彫りは、メダイ彫刻家の優れた技量を証しています。

　窪みごとに異なる色のガラスを溜めるシャン・ルヴェの技法により、エマイユ（七宝）が施されています。ジャンヌの浮き彫りはエマイユの表面よりも低い面を基底として制作されているため、メダイ表面からの突出が少ないわりに、たいへん立体的な仕上がりとなっています。





　エマイユは赤及び濃淡二色の紫を使用しています。キリスト教美術において、赤は殉教者の血の色であり、この色の使用はジャンヌが殉教者であることを表します。紫は古来高貴な色であり、殉教者ジャンヌが天上にて栄光の冠を授けられていることを表します。またジャンヌの頭部の背景となる紫のエマイユは、フランスを象徴するフルール・ド・リス（百合の花）の形、ジャンヌの肩よりも少し上にある紫のエマイユは、ジャンヌに神託を告げた大天使ミカエルの翼の形に見えます。ジャンヌが胸に抱く剣は、まさに十字架の形です。剣を十字架に見立てる表現は、聖ヤコブ十字においても見られます。

　このメダイは未販売の新品（デッドストック品）で、保存状態は良好です。ジャンヌの背後、鴛鴦の思羽（おもいば）に似た窪みにエマイユが入っていませんが、まったく気になりません。

本体価格　14,800円　8,800円

電話 (078-855-2502) またはメール（procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp）にてご注文くださいませ。




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