「サン・シストの聖母」の天使 指先に載る小さなメダイ 直径 9.0ミリメートル


突出部分を除く直径 9.0 mm

フランス  1950年頃



 ラファエロの名画、「サン・シストの聖母(システィナの聖母)」の画面下方に描かれたふたりのプッティのうち、向かって左側のプットを浮き彫りにしたメダイ。「プット putto」(複数形「プッティ putti」)とは、イタリア語で有翼の童子の姿をした天使のことです。

 ラファエロの原画では中心に聖母子が描かれ、向かって左側に3世紀の初代ランス司教聖シクストゥス (St. Sixte de Reims)、 右側に3世紀の殉教聖女聖バルバラを描きます。ふたりのプッティは画面の最下部に描き加えられていて、左側のプットは肘をついて顎を掌に載せ、右側のプットは重ねて置いた手に顎を載せ、いずれも頭上の聖母子を退屈そうに眺める姿はたいへんユーモラスで可愛らしく、微笑みを誘います。


(下) Raffaelo Sanzio, "Madonna Sistina", 1512 - 14, Öl auf Leinwand, 265 x 196 cm, Gemäldegalerie Alte Meister, Dresden




 「サン・シストの聖母」は38歳の若さで亡くなったラファエロが、自らの手で仕上げた最後の聖母子像です。1754年以来ずっとドレスデンにあり、第二次世界大戦当時はヒトラーの命により地下室に保管されていたために、連合軍のドレスデン空襲による破壊を免れました。第二次世界大戦後、いったんモスクワに運ばれましたが、その後ドレスデンに返却され、現在に至っています。





 メダイに取り上げられているのは向かって左側のプットで、直径 9.0ミリメートルはメダイのなかでも最小クラスに属します。メダイユの浮き彫り彫刻においては空間的な立体性、あるいは高低差はごくわずかですが、本品の天使はコバルトガラスのエマイユ(七宝)によって浮き彫りの高低による明暗差が強調され、幼児らしく丸々としたプットの体形がよく表現されています。上部の環にメダイユ工房の刻印があります。





 上の写真に写っている定規のひと目盛は 1ミリメートルです。浮き彫りの各部は 1ミリメートルに満たないサイズで、顔の直径はせいぜい 2ミリメートルしかありません。本品にメダイユ彫刻家の署名は刻まれていませんが、優れた技術の持ち主であったことがよく分かります。





 本品は数十年前の古いメダイですが、保存状態はきわめて良好です。エマイユにひび割れや剥落は無く、めっきにも剥がれは認められません。小さなペンダントやブレスレット用のチャームとしてお使いいただけます。下の写真は別売りのアンティーク時計と組み合わせた例です。






メダイの価格 4,200円 (税込) 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。



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