「ノートル=ダム・オ・ワゾー」(鳥たちの聖母) 12 x 7 cm セーヌ=エ=マルヌ、ファルムティエ修道院


写真に写っている木製額のサイズ  縦 22.5 x 横 17.5 x 奥行 2 センチメートル

聖画のサイズ  縦 12 x 横 7 センチメートル


フランス  1930年代末頃



 「ノートル=ダム・オ・ワゾー」(Notre-Dame aux Oiseaux) と名付けられた小聖画。聖画の上部はアーチ形になっており、ゴシック聖堂の窓を思わせます。裏面は白紙です。





 聖画は生命の色である緑を背景に、真っ白な衣を着た聖母子と白鳩が描かれています。聖母子の頭部には金色の後光が輝いていますが、光は後光の外側にまで及び、あたかもステンドグラスから差し込んで物質を霊化する天上の光を思い起こさせます。幼子イエズスは一羽の鳩を抱いています。静謐な雰囲気が漂うなか、瞑目して寄り添う聖母子の表情には、悲しみが混じっているように見えます。聖画の右下には、ラテン語で「平和」を表す "PAX"の文字が見えます。

 「ノートル=ダム・オ・ワゾー」はフランス語で「鳥たちがいる聖母像」、あるいは「鳥たちのための聖母」という意味です。この種の小聖画において、鳩はキリスト教徒の魂を表す場合が最も多く、聖霊を表す場合がこれに次ぎます。しかるに本品では、鳩がキリスト教徒の魂を表すとともに、平和の象徴としても用いられていることに気づきます。





 表(おもて)面最下部に、「セーヌ=エ=マルヌ、ファルムティエ修道院」(Abbaye de Farmoutiers, S et M.)、図版番号 (No. 15) の文字があります。

 ファルムティエ(Farmoutiers イール=ド=フランス地域圏セーヌ=エ=マルヌ県)はパリの東50キロメートル程にある小さな町です。ここにあるファルムティエ修道院は7世紀に創建され、長い歴史を誇ります。フランス革命時に廃院となり、建物も破壊されて石材となりましたが、1930年に数人のベネディクト会士が移り住み、修道院が復活しました。


 この聖画は図版番号が15番と若いことから、1930年代末から 1940年頃、すなわち第二次世界大戦期の初頭に制作されたと考えられます。鳩すなわちキリスト者の魂に庇護を与えつつもどこか悲しげな聖母子の表情、平和を表す鳩、"PAX" の文字が、この作品に籠められた切実な祈りを、観る者に伝えます。


 下記の価格には、小聖画だけでなく、商品写真に写っている額、マット、ベルベット、工賃、税も含みます。商品写真に写っている額が在庫していない場合、同じ価格の他の額をご用意いたします。また商品写真とは異なるデザインや色の額をご希望の場合、同じ価格の他の額をご用意いたしますので、お気軽にご相談くださいませ。

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