ロベルト・フェルッツィ作 「ラ・マドンニーナ」 街角の聖母 20世紀初頭の額絵


フレーム全体のサイズ 14 x 12 cm   聖画のサイズ 8.5 x 6.5 cm (いずれも概寸)

フランス  20世紀初頭



 アドリア海沿岸の古都シベニク (Sibenik/Sebenico) に生まれ、19世紀後半から20世紀前半にかけて活躍したイタリアの画家、ロベルト・フェルッツィ (Roberto Ferruzzi, 1853 - 1934) の「ラ・マドンニーナ」("La Madonnina")。良質の中性紙に刷られており、同時代のフレームに封入されています。





 ドーム状ガラスを嵌め込んだ楕円形の木製フレームは19世紀後半から20世紀初頭までのフランスで流行し、聖画や漆喰彫刻、聖遺物のほか、故人の髪で作った工芸品、ドライフラワー、風景画や肖像画等を飾るのに使用されました。本品は木製フレームに黒いベルベットを張ってあり、ガラスはなだらかな曲面を描くドーム形となっています。

 ロベルト・フェルッツィによるこの作品は、1897年の第二回ヴェネツィア・ビエンナーレに「マテルニタ」("Maternità" 母性)という表題で出展されたものです。作品が描かれたのはこれよりずっと前、フェルッツィが30歳の頃で、画家がヴェネツィアで見かけたアンジェリーナ・チャン (Angelina Cian) という11歳の少女がモデルになっています。アンジェリーナはまだ赤ん坊である弟を腕に抱いていたのですが、フェルッツィはアンジェリーナの無垢な美しさ、優しさに打たれて絵筆を執ったのでした。

 フェルッツィ自身には、この絵を聖母子像として描いたつもりはありませんでしたが、第二回ヴェネツィア・ビエンナーレに来場した人びとはそこに聖母マリアの姿を見て、この作品を「ラ・マドンニーナ」("La Madonnina" イタリア語で「歳若き聖母」)と呼ぶようになりました。この作品は少女の優しい表情ゆえに「マドンナ・デル・リポソ」("Madonna del Riposo" 「安らぎの聖母」)、「マドンナ・デッラ・テネレッツァ」("Madonna della Tenerezza" 「優しさの聖母」)、貧しい庶民のような服装ゆえに「マドンナ・デッレ・ヴィーエ」("Madonna delle Vie" 「街角の聖母」)、「マドンナ・ツィンガレッラ」("Madonna Zingarella" 「ジプシーの聖母」)とも呼ばれています。

 「ラ・マドンニーナ」はロベルト・フェルッツィの最高傑作として数多くの複製が作られました。下の写真は1960年代のイタリア製小聖画です。当店の商品





 フェルッツィによる原画はアメリカの鉄鋼王リーシュマン (John George Alexander Leishman, 1857 - 1924) に高額で買い取られましたが、現在は所在不明となっています。





本体価格 28,800円 販売終了 SOLD

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