フランスで製作された装飾的なシルエットの銀製クロス。両面とも同じデザイン、同じ丁寧さで仕上げられています。縦横のサイズはおよそ 5 x 3
センチメートルと大きめで、金属部分は 4ミリメートル、黒色カット石を取り付けた交差部は 8ミリメートルの厚みがありますが、打ち出し細工の十字架を合わせて製作してあるゆえに、常用しても疲れない軽量のペンダントとなっています。
800シルバー製であることを示すフランスのホールマーク(イノシシの頭)、及びフランスの銀製品工房のマークが、上部の環に刻印されています。交差部の黒色石の素材は不明です。ガラスかもしれません。
およそ百年前に製作された古い物であるにもかかわらず、特筆すべき問題の無い良好なコンディションです。クロス全体に散りばめられた小さな装飾が華やかさを、分節化したデザインが軽やかなリズムを感じさせるとともに、真正のアンティーク品ならではの重厚なパティナ(古色)に覆われています。百年前のフランスで仕事をした銀細工職人と、製作以来の歳月が、共同で仕上げた大人のジュエリーといえましょう。