真正の銀線細工によるアンティーク・クロス 丸みを帯びた立体ペンダント 37.0 x 22.1 mm


北アフリカのフランス旧植民地  20世紀前半



 たいへん繊細な線細工によるクロス。いずれの面も同じ意匠に基づき、全く同様の丁寧さで制作されています。本品は銀でできていますが、北アフリカのフランス旧植民地で制作された品物であるゆえに、ポワンソン(貴金属検査所によるホールマーク)は刻印されていません。




 複雑なパターンの線を多用した透かし細工の金属製工芸品には、「網状の金属シートを利用して線細工に似せた製品」と、「針金を曲げて制作した真正の線細工」の二通りがあります。後者は一つひとつの細かい部品から手作りされるため、制作に非常な手間がかかります。それゆえ金属製の透かし細工には網状の金属シートが使われるのが普通です。

 しかしながら本品は太さが異なる二種類の針金を用いた真正の線細工で、職人の手作りによる完全な一点ものです。本品の制作は次のような工程で行われています。

1. 細い針金をねじってミル打ち状のパターンを作り出す。

2. 1.の針金をフルール・ド・リスのような形に曲げる。

3. 2.の部品を二つ組み合わせて、太い針金で作った菱形の枠内に溶接する。

4. 3.の部品を組み合わせて溶接し、十字架の縦横となる部材を作る。

5. 1.と同様の針金を巻いて円盤状にし、太い針金で作った円の内側に溶接する。この部品を、大きなサイズで八枚、小さなサイズで八枚、制作する。

6. 5.の部品のうち、大きなサイズのものを二枚ずつ使って、4.の部材の一方の端を閉じる。

7. 5.の部品のうち、小さいサイズのものを四枚ずつ使って、十字架の交差部を二つ作る。

8. 6.と7.を組み合わせて十字架を作り、両面の交差部中央に、同素材の金属による小球を溶接する。

9. 頂部に環を溶接する。





 以上のように手間のかかる工程を経て、両面とも全く同じ丁寧さで制作された本品には、手間と時間が惜しみなく費やされており、古き良き時代のアンティーク品ならではです。色ガラスや宝石が嵌め込まれているわけではなく、まさに「見る人が見ればわかる」職人技が生み出した美しさが、その「贅沢」さの証となっています。

 本品は北アフリカのフランス植民地で制作された真正のアンティーク品ですが、古い年代にもかかわらず、保存状態は極めて良好です。デザインは繊細ですが、しっかりと丁寧に溶接されていますので、丈夫さの点でも問題ありません。末長くご愛用いただけるアンティーク・ジュエリーです。





本体価格 24,800円 販売終了 SOLD

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