フランソワ・ド・サール(フランシスコ・サレジオ) 黄楊の小箱のルリケール 直径 40 mm 高さ 21 mm


フランス  二十世紀初頭頃



 二十世紀初頭頃のフランスで制作されたルリケール(reliquaire)。修道院での手仕事によって生み出された工芸品です。しっかりと閉まる厚い蓋がガラスを保護し、携帯できるように作られています。





 聖遺物をフランス語で「ルリーク」(仏 relique)といいます。「ルリケール」とはルリーク(聖遺物)を収めた容器のことで、本品は黄楊(つげ)を刳り抜いて作られています。黄楊は英語で「ボックスウッド」(英 boxwood)、ドイツ語で「ブックスバウム」(独 der Buchsbaum)というように、箱をはじめとする工芸品に使われる木材で、磨くと美しい艶が出ます。木製小箱のルリケールや、ロザリオの木製ビーズは、多くの場合、黄楊でできています。

 黄楊は「不死」「永遠の生命」を象徴します。また「枝の主日」に祝別される植物として、「キリストへの信仰告白」「救世主を迎える喜び」「キリストの勝利と栄光」「神との平和」を表します。





 円筒形小箱の内縁は、縁を金色に塗った紙細工で飾られています。これはパプロール(仏 les paperolles)といって、金線細工の代用として考え出されたアンティーク品特有の装飾技法です。ルリケールの底にはベルベットが敷かれ、聖フランソワ・ド・サール(聖フランシスコ・サレジオ)の聖遺物、及び殉教者聖テオドール(聖テオドールス)の聖遺物が収められています。

 聖フランソワ・ド・サール(仏 François de Sales, 1567 - 1622)は宗教改革に続く宗教戦争の時代に「愛の博士」(仏 Docteur de l'amour)として知られたジュネーヴ司教で、「何事も力によらず、すべてを愛によって」と説き、カトリックのみならずプロテスタントをも含めたキリスト教界に広く影響を及ぼしました。本品の聖遺物は小さな布片に濃い茶色の染みがあります。ド・サール師の衣の一片か、ド・サール師の遺体に触れさせた布片を、膠(にかわ)でベルベットに固定しているものと思われます。

 殉教者聖テオドール(Théodore, martyr)については、同名の殉教聖人が何人もいて、どの人を指すのか定かではありませんが、いずれにせよ古代の殉教者です。テオドールの聖遺物として本品に納められているのはおそらく墓所の土で、蝋か蜜蝋で菱形の紙片に固定してあります。


 上の写真の上端、ガラスの縁に近い部分に、虹色の貝殻状断口が写っています。この断口はガラス窓の内側(ルリケールの内部側)において表面に剥離が起こっている部分ですが、ガラスを貫通する孔は開いていません。ルリケール内部にガラスの破片が見られないため、剥離による断口はルリケールが制作された時点ですでに存在していたことがわかります。





 本品は百年近く前に制作された品物であるゆえに、経年により木材が乾燥して、容器の側面一箇所に亀裂が入っています。しかしながら今後この亀裂が広がって容器が二つに割れることはありません。ご安心ください。





 本品は古い年代にもかかわらず十分に良好な保存状態です。聖遺物はベルベットにしっかりと固定されています。現状で存在する側面の亀裂やガラスの剥離が今後拡大することはありません。





31,800円

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