1月20日 火曜日

 最近のにゃんこたちはみな不活発で、ストーブの前で寝てばかりいます。

 下の写真は1月18日に撮ったものです。奥左から時計回りに、よっちゃん、たかし、ぐみちゃん。




 2枚目は今日撮った写真です。手前がぐみちゃん。奥がアンジェリカ。




1月13日 火曜日

 最近は本を買わないように節制していたのに、数日前から箍(たが)が外れてしまいました。

 昨日買った本です。

 いちばん上の本はユダ福音書に関するもので、著者のひとりエレーヌ・ペイゲルズは初代教会時代のグノーシス主義の権威です。私が高校生の頃に読んだのもこの人の著書 (Elaine Pagels, The Gnostic Gospels, Pelikan Books) ですが、当時はユダ福音書の発見は公表されておらず、私が読んだ本にもトマス福音書、マグダラのマリアの福音書、マルキオン福音書等については論じられていましたが、ユダ福音書に関する言及はありませんでした。
 ユダ福音書は早くも1970年代に発見されていたようですが、カイロのアンティーク商が買い手を捜しているうちにパピルスが劣化し、研究者が目にすることができないままに失われかけていました。数億円であった売値が十分の一ほどに下がった頃はぼろぼろの状態でしたが、スイスのアンティーク商が買い取ってイェール大学に転売を試みたことで、この写本は初めて研究者の精査を受けました。結局イェール大学は購入を見送り、写本はスイスに渡るのですが、発見と修復が辛うじて間に合ったことは、本当に幸運であったと思います。


 上から2冊目は絵画の贋作に関するノンフィクションです。たいへん面白く、すでにだいぶ読んでしまいました。
 1940年のニューズ・ウィーク誌の記事によると「カミーユ・コローの真作2500点のうち7800点がアメリカにある」そうです。その状況は現在も変わっていなくて、現行のカタログ・レゾネに掲載されている作品の数十パーセントは贋作であろうということです。
 贋作が見破られるのは下手な贋作の場合のみで、優秀な贋作者の場合、たとえ何か他の理由で贋作がばれて、アトリエにあった何百点もの作品が押収されても、そのうちのどれが真作でどれが贋作であるか、専門家の意見は一致しないようです。また贋作を買った可能性がある顧客たちに警察が呼びかけても、みな自分の購入した作品に満足しているので、誰も協力しないということです。

 アンティーク商である私がこのようなことを口にするべきではないのかも知れませんが、仕事と切り離した個人的意見として少し極端な言い方をすると、美術品の真贋など究極的にはどうでもよいことだと思います。最終的に大切なのはその作品が気に入るかどうかという一点のみです。この本を読むとつくづくそう感じます。




 今日は私の仕事場であるカウンター内を撮影してみました。

 私の右横。上から時計回りに、たかし、よっちゃん、げんちゃん。

 私の左横。左上から順に、ぐみちゃん、アンジェリカ、ひろちゃん。

 左右に均等に猫がいると安定した気分で仕事ができるように思うのは、気のせいでしょうか。


1月12日 月曜日

【にゃんこドキュメンタリー】 本日の当店の動きです。

 15: 07 傍若無人なたかしと、迷惑そうなアンジェリカ。間にいるのは、げんちゃん。

 16:12 画面左下にいるのは、ひろちゃんです。

 16:12 上の写真の数秒後。アンジェリカが回り込んできました。

 16:13 アンジェリカの動きがよっちゃんの背伸びを誘発して、画面左下のひろちゃんが頭を蹴られています。

 16:13 向かって左から右に、よっちゃん、アンジェリカ、げんちゃん、たかし。

 16:14

 16:14 画面左下は、ぐみちゃんです。


 このように観測してみると、同じにゃんこの並ぶ順番が変わっている以外には、目立った変化が無いことがわかります。ちょうど惑星の天文写真に似ています。ただしにゃんこの配置によって時刻を知ることはできません。


1月11日 日曜日

 昨夜カレンダーを見て、この週末が3連休であることに気付き、意気阻喪してしまいました。店を経営する身としては、連休など無ければ良いのにと思います。

 今日のにゃんこたち。最近はみんな不活発です。

 ぐみちゃん(向かって左)と、げんちゃん

 左上から時計回りに、たかし、アンジェリカ、よっちゃん


 ここ2、3日中に買った本。トルーマン・カポーティとユードラ・ウェルティは好きな作家です。あとはアイルランドの文学作品集と、近現代史、進化学、物理学の本。




 この本は表紙も良いです。




 久しぶりに日本語の本も8冊買いました。うち7冊が翻訳書です。手近にある翻訳書をつい買ってしまうのですが、やはり読みにくくて、元の言語で読むのがいちばんだと感じます。でもせっかく買ったので少しずつ読んでいます。




 たとえばアリストテレスの「メタフィシカ」やトマスの「スンマ・テオロギアエ」を訳すのであれば、後世の思想を育んだ古典的著作というテキストの性質上逐語的で厳密な訳となり、日本語としてある程度ぎこちない訳文になっても仕方がありません。しかし近現代の著者による研究書や、まして一般読者向けの啓蒙書の場合、逐語的な訳など不要と思います。
 元のドイツ語やフランス語が自然に思い浮かんでしまうような訳文を読むのは、日本語が印欧語でないだけに非常に疲れます。眼から入ってくる文字情報をどの言語として処理してよいのか、脳が迅速に判断できずに「フリーズ」してしまうのでしょう。

 自分が買った本をこうして眺めると、高校生の頃から読書傾向がまったく変わっていないことに気付いて面白く感じました。人が興味を持つ分野はいつどのようにして決まるのでしょうか。
 高校生の頃の私は死海写本とナグ・ハマディ写本のことばかり考えていました。死海写本はナザレのイエスの時代にユダヤ教エッセネ派が残した写本です。ナグ・ハマディ写本は3世紀頃のグノーシス主義のコーデクスで、トマス福音書の完本を含みます。どちらもいまだにたいへん関心があります。


 本に埋もれて生活している作家や学者の写真を見ると、私と同じだなと思います。毎日のように本屋に行って好きな本を見つけてしまい、持っているだけにならないように一生懸命に読んでいます。


 ヴィリニュスから時計部品の注文が入りました。ヴィリニュスはリトアニアの中心部にありながらポーランド人が多い場所で、当店のお客様もポーランド系の名前です。火曜日に発送します。


1月9日 金曜日

 今日のにゃんこたち。手前から順にアンジェリカ、よっちゃん、ひろちゃんです。




1月5日 月曜日

 クリスマスもいよいよ明日で終わりですが、この時期は来店されるお客様が少なく、店番をしながら本を読んでいます。




 イスラエル地上軍がガザに侵攻しました。怒りを通り越して無力感さえ覚えます。

 私はキリスト教徒ですのでユダヤ人にはやはり親しみを覚えにくいですし、同じアジア人としてパレスチナ人に同情します。イスラエル人とは、2000年前にメシアが現れたときにそれと気付かなかった人たちではないですか。いったい何が約束の地なのでしょうか。宗教的なことは抜きにしても、パレスチナに移り住んだのは良いとして、もともと住んでいた人たちを追い出したり殺傷したりするとは言語道断です。イザヤ書にいう「神のみ前で自分の頭の上に燃える薪を積み上げる者」とは、まさに自分たちのことであると知るべきです。

 イスラエル国民は、その多くがナチの強制収容所で生き残った人たちの子孫でしょう。エリ・ウィーゼルの本を読むと胸が痛み、涙さえ溢れます。そのような体験をした民族が、どうして隣人に対してこれほどまでに過酷になれるのでしょうか。

 ガザの状況にやりきれない思いを抱き、つい独り言の日記を書いてしまいました。お許しくださいませ。次回のアップデート時にはにゃんこの写真をアップロードいたします。


1月1日 木曜日

 昨日から今日にかけての動きをドキュメンタリー風に記録してみました。

 12月31日 14:36

 12月31日 16:33

 12月31日 17:43

 1月1日 18:29

 1月1日 21:03

 こうして写真に記録してみると、年が明けたといっても猫の配置が変わっただけで、当店にはこれといった変化が無いことがわかります。



 2008年の秋冬はこれまでに経験したことのない不況でした。宝石商や美術品商などの売り上げは軒並み半減していて、当店とて例外ではありません。今年は事態が改善することを願うばかりです。

 そのようななかでただひとつ嬉しいことは、日本円の為替相場が大幅に上昇していて、海外への送金が格段にしやすくなったことです。

 当店では毎年クリスマスの時期に、いくつかの慈善団体に送金をしています。今年も次の団体に送金いたしました。

 The Smile Train (英語)

 Association of Hole in the Wall Camps (英語)

 St. Jude Children's Research Hospital (英語、スペイン語)


 今冬は当店の売り上げも大きく減少しましたが、それにもかかわらず例年以上の金額を送金することができました。さらに円高のせいで、日本から送ったお金はアメリカドル建てでいっそう大きな金額になりました。このことを神に感謝し、お客様方にもご報告申し上げます。

 上のリンクのうち2番目の団体は重い病気の子供たちのために、世界各地でキャンプを運営しています。現在ヨルダン川のほとりに、中東地域で初めてのキャンプが建設されつつあります。

 ガザの状況を思うたびに私の心は涙を流します。いまはクリスマス・シーズンの只中だというのに、どれだけの子供たち、大人たちが苦しみと悲しみに沈んでいることでしょうか。このキャンプがイスラエル人とパレスチナ人の融和に役立つことを、ひたすら願わずにはいられません。


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