アンティーク・ウォッチの良い点は三つあります。

 第一に、「一生もの」といえるだけの品質と耐久性があること。上質の機械式時計は百年でも動きます。

 第二に、現行の機械式高級時計に比べて価格が安いが、品質は同等(あるいはそれ以上)であること。昔、時計の値段は初任給の数か月分でした。現在でも上質のスイス時計は数十万円から百万円以上するものも珍しくありませんが、昔はどの時計もそのような価格であったのです。本来はそのようにたいへん高価であった時計ですが、当店では上質のアンティーク・ウォッチを本来の価値に比べて数分の一の値段でご提供しています。

 第三に、「一点もの」の贅沢が味わえること。時計は当時たいへん高価であったので、そもそも現在ほどたくさん生産されていませんし、そのなかでも良いコンディションで残っているものは多くありません。現在店頭に並んで売られているものとなると、さらに少なくなります。したがってアンティーク・ウォッチは実質的に一点ものとお考えいただいてよいでしょう。


 世間で流行しているブランド物は、何万個、何十万個という規模で同じものが大量生産されています。人気ブランドであればあるほど、同じものを持っている人が何万人、何十万人、ときには何百万人もいるのです。

 カルティエにせよブルガリにせよ、本来の顧客は特注で一点ものを製作させる富裕層です。ブランドのロゴが入った既製品を買うのではなく、同じものをどこにも売っていない「一点もの」を作らせるのが高級宝飾店との正しい付き合い方なのです。

 「一点もの」こそが人生に潤いを与える究極の贅沢であり、その贅沢をリーズナブルに楽しめるのが、質の良いアンティーク・ウォッチです。


 次にアンティーク・ウォッチの悪い点について。

 デザインが流行遅れであるとか、ぜんまいを巻くのが面倒くさいとかと感じられる方はそもそもアンティーク・ウォッチに関心を持たれないと思うので、これらはアンティーク・ウォッチの悪い点と考えないことにしましょう。

 しかしひとつだけ、壊れると直らないという重大な問題があります。

 上質のアンティーク・ウォッチはムーヴメント(時計内部の機械)の部品がネジで留められており、分解して部品を交換したり修理したりできる構造になっているのですが、数十年も前の製品なので、通常は部品が手に入りません。そのために、お買い上げ後の修理に対応しない「現状売り」の店が多くなっています。

 
ただし当店では安心してご購入いただけます。当店の修理対応については、質問3のところでお答えしております。


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