コランバス 18サイズの大型懐中時計 瀬戸引文字盤にローマ数字 剣引式時刻合わせ ダスト・プルーフ・ケース 15石
A 18 size pocket watch by Columbus, stem wind, lever set, 15 jewels, circa
1900
アメリカ 1900年頃
ケースの直径 58.1 mm （突出部分を除く）
クレセントW.C.C.製のスウィング・アウト式ケース
実用的なミリングを施したスクリュー式ベゼル
フル・プレートにダマスキーニング装飾を施した15石ハイ・グレード・ムーヴメント
ブレゲひげぜんまい、チラネジ天符
レバー・セット（剣引き）式時刻合わせ機構
白色瀬戸引き文字盤にローマ数字
ブルー・スティール製針
コランバス社及びニュー・コランバス社は、オハイオ州コランバスにあった時計会社です。ディートリヒ・グリュエン (Dietrich Gruen, 1847 - 1911) が 1876年に創業した会社の流れを汲むコランバス社が 1894年の恐慌の際に倒産し、ニュー・コランバス社として改組されましたが、ニュー・コランバス社はコランバス社の資材と設備、ムーヴメントの設計図、未完成のムーヴメント、時計職人をそのまま引き継ぎましだので、両社の時計は実質的に同じ物です。
本品の文字盤は美しい瀬戸引きで、真っ白のエナメルが気品あるローマ数字を引き立てています。中央上部に、流麗な字体で「コランバス・ウォッチ・カンパニー」（Columbus Watch Co. コランバス時計会社）と書かれています。ムーヴメントには「ニュー・コランバス」(New Columbus) と刻まれていますので、本品はコランバス社時代とニュー・コランバス社時代にまたがって製作されたものであることがわかります。
15石の高級ムーヴメントは錆も無く、非常に良いコンディションです。天符は大きな振り角で元気に動いています。フル・プレートの特長を活かして施された花弁状装飾が柔らかい光を反射して、目を楽しませてくれます。この装飾は英語でダマスキーニング (Damaskeening)、フランス語でフォース・コート (Fausses Côtes) あるいはコート・ド・ジュネーヴ (Côtes de Genève) と呼ばれ、回転する小円盤でプレートにバフを掛けることにより産み出されています。
天符受けにもエングレーヴィングによる装飾が施されています。一見抽象的な図形のように見えるこのパターンは、「コランバス・ウォッチ・カンパニー」のモノグラム (C. W. C.) を図案化したものです。
プレートには「ニュー・コランバス」「フィフティーン・ジューエルズ」「セイフティ・ピニオン」の文字、及びこの時計に固有のシリアル番号 (375166) が刻まれています。
「フィフティーン・ジューエルズ」（FIFTEEN JEWELS 15石）とは、ルビーがムーヴメントの部品として15個使われているという意味です。ルビー、すなわちコランダムは非常に硬い鉱物ですので、摩耗してはいけない部分に部品として使用されます。1920年代頃までの時計は7石のものが多く、15石のルビーを使ったムーヴメントはたいへん高級な品です。
「セイフティ・ピニオン」（SAFETY PINION 安全カナ）とは特別な仕掛けがある二番カナで、主ぜんまいが破断した際の衝撃から輪列を保護する働きをします。セイフティ・ピニオンの方式は時計メーカーによって異なります。コランバスの時計に搭載されているのは、ディートリヒ・グリュエンが1874年に特許を取得したセイフティ・ピニオンです。
時刻合わせはこの時代に特徴的なレバー・セット（剣引き式）で、スムーズに作動します。
白い瀬戸引き文字盤、ローマ数字インデックス、ブルー・スティール製の針が、19世紀末、わが国で言えば神戸や横浜の「異人館」時代の雅趣を漂わせています。110年以上前の時計であるにもかかわらず、いずれもたいへん良好な保存状態で、特筆すべき問題は何もありません。
スウィング・アウト式のダスト・プルーフ・ケース、ケースのちょうつがい、竜頭、文字盤、風防とも、たいへん良いコンディションです。ボウ（吊り輪）にも緩みはありません。
189,000円
電話 (078-855-2502) またはメール（procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp）にてご注文くださいませ。
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