懐中時計用鎖 全長 33.0センチメートル フランス 19世紀後半から20世紀初頭



 全長 33センチメートル、幅 4ミリメートルの金色の鎖。ブロンズに金張りを施してあります。一方の端にあるO(オー)型の環に「フィクス」の刻印があります。


 ティトル・フィクス(TITRE FIXE)またはフィクス(FIX)は、サヴァール・エ・フィス社(Savard et fils)の商標です。同社を創業したジュエリー職人フランソワ・サヴァール(François Savard, 1803 - 1875)は、1829年、真鍮またはブロンズの表面に金を張った素材オール・ドゥブレ(仏 or doublé)あるいはプラケ・ドール・ラミネ(仏 plaqué d'or laminé)を発明しました。この発明がサヴァール・エ・フィス社設立のきっかけとなりました。

 フランソワの発明は息子オーギュスト(Auguste Savard)に受け継がれます。 1895年、オーギュストはゲレ(Guéret ヌーヴェル=アキテーヌ地域圏ラ・クルーズ県)に機械化された工場を設置し、それまですべて手作業であったジュエリー製作に機械を導入しました。これ以降、サヴァール・エ・フィス社のジュエリーはティトル・フィクス(TITRE FIXE)またはフィクスの商標で全盛期を迎えました。サヴァール・エ・フィスのジュエリーは金が厚いために磨滅しにくく、変色も起こらないので、十九世紀末から二十世紀前半のフランスにおいて人気を集めました。下の写真はパリのアクセサリー商 E. ブリエ(E. Boullier)がティトル・フィクスの商品を掲載した 1907年頃の広告です。


(下・参考画像) 「ティトル・フィクス」ブランドのビジュ(ジュエリーとアクセサリー)。1907年の広告。




 本品のもう一方の端には、外径 9ミリメートルと大きめの引き輪が取り付けられています。引き輪に歪み等の問題は無く、バネも良く効いており、新品時と変わらず使える良い状態です。「フィクス」と刻印されたO(オー)型の環に、もう一方の引き輪を掛けると、鎖が環状になります。しかしながら本品の全長は 33センチメートルで、ネックレスのように使うには短すぎ、ブレスレットとして使うには長すぎます。懐中時計の鎖として使うにはちょうど良い長さです。





 本品を懐中時計の鎖に使う場合、「フィクス」と刻印されたO(オー)型の環に、開閉可能な引き輪あるいは留め金を取り付ける必要があります。この取り付けは数百円程度の実費にて可能ですので、ご希望の場合はお申し付けくださいませ。引き輪や留め金を取り付ける代わりに、紐やリボンで代用するなど、ご自身で工夫してお使いいただくことも可能です。

 上の商品写真では、金張りが剥がれてブロンズが露出している箇所を判別することが可能ですが、肉眼で見ても分かりません。実物は写真よりもずっと美しく、お買い上げの方には必ずご満足いただけます。チェーンの強度も申し分無く、長くご愛用いただける品物です。





本体価格 6,300円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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