まばゆく煌めくOMF 《レモン・イエローの正方形シトリン 2.82 カラット》 熟練カット職人が手間をかけた一点もの 9.3 x 9.3 mm


 稀少な色とユニークなカットの一点ものシトリン。9.3 ミリメートル四方の正方形で、2.82 カラットの重量があります。





 クォーツに微量の酸化第二鉄(三価の鉄イオン)が含まれると、黄色に発色してシトリンになります。天然の状態で黄色いクォーツが生まれることは少なく、大抵のシトリンはアメシストの加熱によって生み出されます。アメシストを加熱してシトリンにする処理は、コランダムの加熱処理やエメラルドの含浸処理と同様、普通に行われていることであって、不正な処理ではありません。





 ヒート・トリートメント無しで黄色いシトリンは、顕著な二色性を示します。本品をダイクロスコープで検査したところ、二色性は確認できませんでしたので、本品の発色はヒート・トリートメントによるものと思われます。宝石のヒート・トリートメントにおいて色をコントロールするのは難しく、どのような色になるかはやってみないと分かりません。このような発色のシトリンは珍しく、あまり見かけることがありません。





 本品は発色が珍しいだけでなく、宝石研磨職人の手作業によって、唯一無二の美しいカットが施されています。シトリンのクラウン側(枠にセットした際の表側)には、八つの OMF(英 optically magnified facets)が正方形の対角線に沿うように作られています。OMFの曲面は通常ならば直線と平面のみによる宝石カッティングに有機的な趣を添え、本品シトリンを薫り高い沈丁花のように見せています。





 OMFはカーヴド・ファセッツ(英 carved facets 曲面ファセット、凹面ファセット)とも呼ばれ、熟練した宝石カット職人が円筒形のマンドレル(旋盤に取り付けるやすり)を使用し、非常な手間と時間をかけて作り出すファセット(カット面)です。





 OMFはパヴィリオン側(枠にセットした際の裏側)において本領を発揮します。透明宝石のクラウン側から入射した光は、パヴィリオン側の内面で反射し、クラウン側に戻ります。透明宝石をカットする角度は、入射光がすべてクラウン側の正面に戻るように計算されています。逆に言えば、透明のカット石は正面から見た場合にのみ輝きます。しかるに透明宝石のパヴィリオン側に OMFを設けた場合、OMFは宝石の内側から見ると凸面鏡の役割をして、入射光の反射角を広げます。この結果、正面からずれた角度で宝石を眺めても、輝きが失われません。

 本品のパヴィリオン側には、多数の OMFが作られています。これはたいへん手間のかかる作業ですが、その甲斐あって本品に類い稀な煌めきを与えています。本品の写真を見れば、斜めから見てもよく輝いていることがお分かりいただけます。





 本品はガードルが薄いので、指輪よりもペンダントが安心できます。指輪を作るのであれば、ガードルを保護するために、覆輪留めにするのが良いでしょう。


 電話(078-855-2502)またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。


 
■本品を使用したジュエリー制作を、当店にて承ります■

 左の写真は当店で製作したプラジオライトのペンダントで、商品はご注文主様にお引渡し済みです。本品でペンダントを作った場合、仕上がり品の価格は 58,000円(石、枠、工賃すべて込み)です。写真の販売済みペンダントに関して詳細を見るには、このリンクをクリックしてください。





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