エメラルド ペア・シェイプ 9.4 x 6.5 mm


1.374 カラット



 色、輝きともに優良な天然エメラルド。9.4 x 6.5ミリメートル、1.374カラットと大きなサイズで、ペア・シェイプ(洋梨型)にカットされています。鉱物油で含侵処理が施されています。



 宝石の色は、多くの場合、遷移元素が着色要因となっています。エメラルドはアクアマリンやモルガナイトと同じく、べリル(beryl)という鉱物です。

 宝石の発色はその多くが遷移元素によります。純粋なベリルは無色透明ですが、ベリルに第一鉄(二価の鉄)が混入するとアクアマリン(青いベリル)、第二鉄(三価の鉄)が混入するとヘリオドール(黄色いベリル)、マンガンが混入するとモルガナイト(ピンクのベリル)、クロムが混入するとエメラルドになります。

 べリル Be3Al2(SiO3)6 はそれほど珍しい鉱物ではありませんが、エメラルドは例外的に稀少です。稀少である理由は、エメラルドは地殻中の非常に深い場所で生成するため、大深度の岩盤が大規模な造山運動によって露出した個所でしか見つからないことによります。ダイヤモンドはマントル層が地殻表面に向けて貫入したキンバライト中で見つかりますが、エメラルドの場合も事情はこれと似ており、コロンビア、ウラル、トランスバール等に産地が限定される要因となっています。それゆえにエメラルドは最も高価なベリルです。コロンビアの場合、密輸分も含めれば、コカイン、コーヒーに次いでエメラルドが多くの外貨を稼いでいます。


 エメラルドの着色要因は、上述したように、クロム(Cr)です。しかるにたいへん大雑把な言い方ですが、地球の地殻中、クロムは大深度部に偏在します。したがってエメラルドは大深度で生成します。同じべリルでも、アクアマリンやモルガナイトは浅いところで、エメラルドは深いところで結晶するのです。大深度で生じる結晶は非常な高圧にさらされるため大きく成長するのが難しく、また一旦成長した結晶も地中で破砕されがちです。エメラルドの内部に多数のひび割れがあるのは、このような理由によります。

 これに加えてエメラルドの内部にはインクルージョンが多数存在します。これらのインクルージョンがカットによって露出すると、たとえば三相インクルージョン中の液体が流出して空間が生じ、多数の微小な空間が生じます。

 エメラルド内部のひび割れやインクルージョンに由来する微小な空間は、カット石の透明度が低下する原因となります。それゆえこれらの隙間や空間は、セダー・オイルまたはパーム・オイルを加圧によって含侵し、目立ちにくいように処理されます。



 エメラルドを評価するうえで最も大切なのは、色相と明度です。本品の色は明るく、青みがかった美しい緑色をしています。色相、明度と並んでカットも重要です。本品のカットは優良で、ウィンドウをまったく生じていません。色の濃い部分を残そうとした結果、カットが歪(いびつ)なエメラルドが時折見られますが、本品のカットは左右対称で、キューレット(パヴィリオン側の頂点)はきちんと真中にあります。

 本品を肉眼で見るとたいへん綺麗で、パヴィリオン(カット石の裏側)の深いところからべリル特有の煌めきを放っています。商品写真ではずいぶん曇って見えますが、これは宝石に入射した光がパヴィリオンで反射して、クラウン側(カット石の表側)に戻る途中で、エメラルド特有のインクルージョン(内包物)に散乱されるからです。小さな宝石の撮影には長時間の露出を要するので、肉眼の閾値(いきち リーメン 羅 LIMEN)以下の散乱光も撮像素子に捉えられ、このように写ります。実物をご覧になれば、充分に透明であることがお分かりいただけます。

 宝石の美しさは写真で再現できませんが、とりわけエメラルドとスフェーンは実物と写真の落差が激しい宝石です。商品写真はこのエメラルドが在庫していることを示す証拠写真程度の意味しか無く、いっそ載せないほうが良いぐらいに実物とは違っています。しかしながら写真無しといいうわけにもいきませんので、やむを得ず掲載しています。本品の美しい色彩と透明な輝きは、実物をお手に取ってお確かめください。





59,000円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にてご注文くださいませ。




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