強い輝きの小さなバロック真珠 《あこや貝ケシ真珠の十連ネックレス 全長 54.5センチメートル》 長径一ミリメートルから二ミリメートル 入手困難品



 優れた照り(つや)を有するあこやケシ真珠のみを選び、隙間無く繋いだ十連のネックレス。十本の連をまとめる二個のカップ、及びカップに接続するクラスプ(留め金)は、イエロー・ゴールドめっきを施したスターリング・シルバー製です。

 下の写真は本品をピアス式イアリングと一緒に撮影しています。本品ネックレスの真珠が白いのに対して、イアリングの真珠は少しゴールドがかっています。真珠の色味が少し異なるので、ネックレスとイアリングはそれぞれ別売り商品としました。しかしながら真珠の色の違いはネックレスとイアリングを真横に並べれば分かりますが、実際に着用する場合は距離が離れているので、二品を一緒に使うことも十分に可能です。





 真珠は丸いものだと思われていますが、よく見かける真珠が球形であるのは、球形の核を入れているからです。貝殻を人為的に研磨して球形の核を作り、これを真珠貝に入れて海中に放置すると、核の表面を真珠層が取り巻いて球形の真珠が生まれます。真珠の重量のほとんどを占めるのは核であり、真珠層の厚さは一ミリメートルにも足りませんが、真珠層は不透明ですから、層が均一の厚さで核を取り巻いていれば美しい真珠となります。

 真珠層が厚い部分があっても薄い部分は無く、照り(艶)も優れていれば、世界に一つしかない美しいバロック真珠として評価されます。しかしながら広い部分に亙って適切な厚さの真珠層が形成されない場合、艶の無い部分を有する不良真珠となります。人間は貝に真珠を作らせることはできますが、できる真珠のクォリティは運任せで、人間がコントロールできません。核の表面全体に適切な厚さの真珠層が形成されているか、真珠層に照りがあるか、どのような色合いになっているかは、貝を開けてみなければ分からないのです。





 本品はケシ真珠(罌粟真珠、芥子真珠)といって、真珠貝がまったくの偶然によって作った真珠です。ケシ真珠は養殖真珠を作るあこや貝の中から見つかりますが、人為的な介入によって作られた真珠ではありません。したがってケシ真珠の場合、サイズ、形、色、照りがコントロールできないのみならず、そもそも真珠ができるかどうかをコントロールすることさえできません。ケシ真珠は完全な自然の産物であり、真珠養殖が始まる以前の真珠と同じものと言うことができます。

 ケシ真珠は核が無く、真珠層のみでできていますが、照り(艶)が優れているとは限りません。真珠層の質の良し悪しは、有核、無核とは別の問題です。真珠層のみでできているケシ真珠にも艶の無い不良品はあり、実際のところは採集される真珠のほとんどに欠陥があります。





 本品は運任せのケシ真珠のなかでも、照りが優れたもののみを使っています。拡大写真をご覧いただければわかるように、本品の真珠は一粒一粒の全体に美しい真珠光沢を有します。本品のサイズは長径が 1 ミリメートルから 2 ミリメートル弱です。通常の真珠のネックレスは 8 ミリメートル前後の珠を使いますから、本品の真珠の長径を 1.5 ミリメートル弱とすると、同じ長さの一連を作るのに、五倍以上の数の真珠が必要であることになります。一般的な真珠ネックレスは 40 センチメートルのものが多いですが、本品は 54.5 ミリメートルとかなり長めであることを考えると、一連あたりの真珠の数は通常の六、七倍になります。本品は十連を束ねているので、一般のネックレスと比べると、六十倍から七十倍の真珠が使用されています。

 真珠でネックレスを作るには、真珠に貫通する孔を開けて、糸を通す必要があります。八ミリメートル前後の珠であれば、機械で穴をあけることができます。しかしながら本品は極小のケシ真珠であり、短径は 1 ミリメートルにも足りません。それゆえ機械での孔開けができず、職人が膨大な手間と時間をかけて、本品に使われているおよそ三千七百個の真珠にひとつずつ孔を開けています。

 本品のケシ真珠は日本産ですが、人件費を考えると国内で孔開けをすることができないので、一旦インドに運び、孔を開けています。ケシ真珠の孔開けには、古代人が火起こしに使っていたような弓を使っています。しかるに近年のインドは経済発展が著しく、このような作業を低コストで依頼することができなくなりました。本品のケシ真珠は筆者が十年ほど前に手に入れたものですが、今後は手に入れるのが確実に難しくなります。

 本品は糸を通すのもたいへんです。筆者は真珠のネックレスを日常的に作っており、短径 1.5 ミリメートルぐらいのケシ真珠えあれば自分で作業しますが、さすがに本品の糸通しは真珠専門の職人さんに頼みました。数万円の作業賃がかかりましたが、職人さんは見事な十連を作ってくれました。





 上の説明でお分かりいただけるように、本品は通常の真珠と比べるべくもない稀少さのあこやケシ真珠を三千個以上も使用し、通常のネックレスの百倍以上の手間をかけて制作されています。にもかかわらず価格がそれほど高くないのは、本品のような高品質のあこやケシ真珠があまりにも珍しく、またネックレス制作に手間がかかりすぎて市場に出回らないため、世間の人がケシ真珠の存在を知らないからです。

 一般に、物の値段が上がるためには、適度な品数が必要です。たとえば丸い真珠のネックレスは多くの人が買う品物で、材料となる真珠は盛んに養殖されていますが、真珠の品質をコントロールできないゆえに、まったくの人工物ほど大量に作ることはできず、適度な品数となります。ブランド品は人工物ですからいくらでも作れますが、費用をかけて盛んに宣伝し、人為的に需要を喚起できます。これらは一定の需要に対して適度な数を供給できる商品であって、高い値段で売ることができます。

 これに対してあまりにも稀少な品物は、値段が上がりません。ケシ真珠のネックレスはその好例です。ケシ真珠はどこにも売っていないために、人が身に着けているのを目にすることはありません。それゆえケシ真珠の存在自体が知られていません。ケシ真珠は、その存在を知ってもらうために宣伝することもできません。大勢の人に欲しいと思ってもらえたとしても、品物を用意することができないからです。

 本品はケシ真珠自体の稀少性、使われている真珠の数、機械を使わずに手作業で孔を開ける手間、糸通しの困難さ等のゆえに、丸い真珠を使った一般的なネックレスと比べれば、数十倍の価値があります。たとえば丸い真珠を使った四十センチメートルのネックレスを十万円として、これを基準に考えれば、本品は数百万円であってもおかしくありません。それなのにケシ真珠のネックレスは手ごろな値段で手に入ります。これはケシ真珠の最大の魅力です。





 本品のケシ真珠は、筆者(広川)が十年も前から持っていたものです。筆者は男性ですのでケシ真珠を自分で使うことはありませんが、最近はあこや貝のケシ真珠が採れなくなってきており、またインドの経済発展のために当地での孔開けができなくなってきたので、入手困難な宝石コレクションのひとつとして手許に留めておりました。しかしながらいつまでも売らずに秘蔵していたのでは、宝飾品商を営む意味がありません。それでこのたび専門の職人さんに依頼して、十連の美しいネックレスに仕立ててもらい、ウェブサイトにアップロードいたしました。





 本品はたいへん上品なジュエリーで、カジュアル、フォーマルを問わずに日々愛用できます。本品の実物は写真よりもずっと美しく、ご購入いただいた方には必ずご満足いただけます。





162,000円

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にて、お気軽にお問い合わせくださいませ。




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