あこやバロック真珠のピアス式イヤリング 《艶やかな鶸(ひわ) 11 x 9ミリメートル》 宇和島産の三年もの 四十年前の珠で制作した新品 クリップ式に変更可



 国産のあこや真珠を使ったピアス式イヤリング。厚い真珠層を持つ四十年前の真珠を使用して制作した新品です。真珠は球形ではなく、不規則な形をしたバロック真珠で、寒い日に羽毛を膨らませたヒワのように、愛らしい形をしています。

 アコヤガイは中国、韓国、ヴェトナムでも養殖されていますが、本品の真珠は愛媛県宇和島産です。本品の現状はピアス式ですが、ピアス用の孔を開けておられない場合は、スターリング・シルバーのクリップ式に無料で変更できます。





 本品は天然真珠ではなく、核が入った養殖真珠ですが、真珠層がよく発達し、美しいバロック・パールになっています。

 世間では真珠は丸いものだと思われています。真珠が球形であるのは、球形の核を入れているからです。淡水産二枚貝の殻を人為的に研磨して球形の核を作り、これを真珠貝に入れて海中で育てると、核の表面を真珠層が取り巻いて球形の真珠が生まれます。真珠の重量と体積のほとんどを占めるのは核であり、真珠層の厚さは一ミリメートルにも足りませんが、真珠層は不透明ですから、層が均一の厚さで核を取り巻いていれば美しい真珠となります。





 真珠層が厚い部分があっても薄い部分は無く、照り(艶)も優れていれば、良い真珠として評価されます。しかしながら広い部分に亙って適切な厚さの真珠層が形成されない場合、艶の無い部分を有する不良真珠となります。人間は貝に真珠を作らせることはできますが、できる真珠のクォリティは運任せで、人間がコントロールできません。核の表面全体に適切な厚さの真珠層が形成されているか、真珠層に照りがあるか、どのような色合いになっているかは、貝を開けてみなければ分かりません。あこや養殖真珠の場合、商品価値のある真珠が採れるのは核入れしたうちのおよそ四分の一で、さらにその四分の一が花珠(はなだま 特に美しい真珠)とされます。





 近年、あこや真珠の養殖期間はおよそ一年半です。しかしながら四十年以上前は現在の倍の期間に亙って養殖が行われ、厚い真珠層の養殖真珠が産み出されていました。本品は宇和島で真珠養殖を長年に亙って営む方から、直接分けていただいた昔の養殖真珠です。本品の真珠層は現代のものに比べて格段に厚く、そのため美しいバロックパールとなっています。





 インターネットがなかった時代、真珠はテレビ広告か印刷されたチラシで宣伝するしかありませんでした。しかしながらそれらの広告手段では、一点ものを宣伝することができません。一点ものは一人の人にしか売ることができないので、不動産のような高価格品でなければ、宣伝費用を回収できないからです。それゆえ一般消費者が広告で目にするのは、どれも同じ形の真円真珠(球形の真珠)のみとなります。その結果、消費者は真珠は丸くて当然と考えて丸い真珠を求め、宝飾業者はそれに応えて丸い真珠のみを供給します。





 現在のように養殖期間が短いと、真珠層は非常に薄いので、バロックパールはできません。昔は養殖期間が長く、真珠層が分厚く成長したので、バロックパールができましたが、せっかくできたバロックパールは商品価値が無いものとして廃棄されました。しかしながら私にこの真珠を譲ってくれた養殖業者さんは、半ば天然真珠にも近いバロックパールの価値を理解し、とりわけ美しいものを手元に残しておられました。そのうちのひとつが本品です。




(上) Raffaello Sanzio, "La Madonna del Cardellino", c. 1506, olio su tavola, 107 x 77 cm, la Galleria degli Uffizi, Firenze


 本品の小さく丸っこい形を見ると、筆者はヒワのように愛らしい小鳥を思い浮かべます。上の絵はラファエロによる油彩板絵「ヒワの聖母」で、幼子イエスは洗礼者ヨハネが掌に抱くゴシキヒワに手を伸ばしています。このゴシキヒワは神の愛の象徴、ならびに人の魂の象徴です。





 イヤリングのポストは十八カラット・イエロー・ゴールド(十八金)です。キャッチは十八金にシリコンゴムを被せています。ピアス用の孔を開けておられない場合、スターリング・シルバーのクリップ式に無料で変更できます。いったんクリップ式に変更したものを、将来ピアス式に戻すことも可能です。





 当店アンティークアナスタシアはアンティーク品及び宝飾品を取り扱っていますが、本品を含めた宝飾品は、特に断りのない限り新品です。本品も四十年前の真珠を使って新たに制作した新品です。材料となった真珠も他のジュエリーから外したものではありません。特に美しいバロック珠であるゆえに、真珠養殖業者さんが手放さずに保管しておられた未使用品です。店主(広川)自身もこの真珠を手放しがたく思い、十年以上も保管していましたが、真珠は女性の引き立て役になってこそ価値があるので、このたび手放す決意を固めて一点ものイヤリングに仕立てました。

 上の写真でモデルが耳に添えている商品は、本品とほぼ同じサイズです。本品はたいへん上品で、カジュアル、フォーマルを問わずに日々愛用できます。宝石の写真は実物通りに再現することが難しいですが、厚い真珠層が放つ七色の真珠光沢も写真で再現できません。本品の実物は写真よりもずっと美しく、ご購入いただいた方には必ずご満足いただけます。





本体価格 40,000円 販売終了 SOLD

電話 (078-855-2502) またはメール(procyon_cum_felibus@yahoo.co.jp)にて、お気軽にお問い合わせくださいませ。




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